夏になると、近所のお祭りや花火大会の予定が気になってきます。
せっかくなら、いつもの洋服のままではなく、家族みんなで着物や浴衣をまとって出かけてみるのはいかがでしょうか。
この記事では、京都の町家で育ち、幼いころから祖母に茶道や着付けを学んできた着物コンシェルジュ「椿さくら」が、家族で着物を着てお祭り・花火大会を過ごす良さと、当日の過ごし方のポイントをお話しします。
実際にお客様をお迎えしてきた経験をふまえて、「こうしておくと安心」「ここを意識するとぐっと素敵になる」という具体的なヒントをまとめていきたいと思います。
着物コンシェルジュ「椿さくら」とは?
まずは、この記事でお話をする「椿さくら」の背景を簡単にご紹介します。
椿さくらは、京都の町家で育ちました。幼いころから祖母に茶道や着付け、和裁を教わり、和のしきたりや所作に自然と親しんできたと聞いています。
大学では日本文化と比較文化を学び、留学生に着物の着付け体験を行うボランティアにも参加していました。
「成人式で、自分のためだけに誂えてもらった振袖を着たときの感動は、今でも鮮明に覚えています。
その日を境に、『着物の感動を、もっと多くの方に届けたい』と思うようになりました。」
その思いから着物業界に入り、現在は社員として、お宮参り、七五三、成人式、結婚式、お祭りや花火大会まで、さまざまなシーンのコーディネート相談を受けています。
フォーマルな場にふさわしい色柄選びだけでなく、初めて着物を着る方の不安を和らげるカウンセリング的な役割も得意としているそうです。
こうした背景から、「家族で着物を着て夏の行事を楽しみたい」という相談にも、多く触れてきたと話しています。
その経験をもとに、今回は「家族で着物を着て過ごす夏」の魅力を整理していきたいと思います。
なぜ家族で着物を着ると特別な思い出になるのか?
写真に残るクオリティが格段に上がる
スマホで何気なく撮った一枚でも、着物をまとった家族写真は、あとから見返したときの存在感が違うと感じます。
背景に屋台の灯りや夜空の花火が入ると、まるで一枚のポスターのような雰囲気になります。
椿さくらのもとには、こんな声も届いています。
「毎年、同じ花火大会に行かれるご家族もいらっしゃいますが、『着物で出かけた年の写真だけ、アルバムの表紙に使っています』とおっしゃる方も多いです。」
同じ場所、同じ花火でも、装いが変わるだけで写真の印象は大きく変わります。
アルバムやフォトブックを見返したときに、「あ、この年は着物で行った夏だったね」とすぐに思い出せる一枚になると思います。
家族の統一感が「特別な一日」に変わる
家族全員が着物や浴衣をまとって並ぶと、それだけで一体感が生まれます。
色や柄を少しリンクさせるだけでも、「家族でそろえた特別な装い」になります。
洋服だと、それぞれが好きなものを着ているうちにバラバラな印象になりがちです。
一方、着物や浴衣は、そもそも「和」という共通の世界観があるので、多少好みが違っても全体として調和しやすいと感じます。
非日常の体験が子どもの記憶に深く残る
子どもにとって、“いつもと違う服装”は、それだけで非日常です。
帯を締めてもらう感覚、草履の音、歩くたびに裾が揺れる感じ。五感で覚える体験は、記憶に残りやすいと思います。
椿さくら自身にも、こんな思い出があります。
「小さなころ、祖母に浴衣を着せてもらって近所のお祭りに行ったことを、私は今でも覚えています。
大人になってから、『あのときの浴衣の色が好きだったな』と鮮明に思い出せるんです。」
子どもにとっては、一つひとつの行事が「初めての体験」になります。
その初めての夏を、着物とともに過ごすことは、将来の宝物になると感じます。
夏の伝統行事と着物の相性がいい理由
夏祭りや花火大会は、もともと日本の暮らしや信仰と結びついた行事です。
そこに和の装いで参加することは、イベントと自分たちの気持ちを、自然な形でつなげてくれると思います。
浴衣や夏着物は、風が通り、見た目にも涼やかです。
提灯の明かりや夜店の灯りとの相性も良く、「日本の夏らしさ」を強く感じさせてくれます。
お祭り・花火大会におすすめの家族コーディネート
家族写真が映える色合わせのコツ
家族で着物や浴衣を選ぶときは、「誰を主役にするか」を決めておくと、色選びがしやすくなります。
「全員が派手な色にすると、写真の中で視線が迷ってしまいます。
お子さまを主役にしたいなら、親御さんは少し落ち着いた色味を選ぶと良いですね。」
たとえば、子どもには明るい色やかわいらしい柄を選び、親は紺やグレー、落ち着いたベージュなどで引き立て役にまわると、写真全体の印象がまとまりやすくなります。
子どもが着やすいデザインの選び方
お子さまの浴衣や着物は、まず「動きやすさ」を優先した方がよいと思います。
「お子さまの浴衣は、まず“動きやすさ”を優先します。サイズは大きすぎないこと。
すそを引きずる長さだと、転びやすく危険です。」
生地は、通気性のよい綿や綿麻素材が一般的です。汗っかきなお子さまには、薄手でさらりとした質感のものが向きます。
柄は、金魚・花・朝顔など、季節感のある図柄が人気です。
腰ひもをきつく締めすぎないこと、裾さばきが楽になるよう少し短めに調整することも大切だと思います。
涼しく過ごせる素材・柄と季節感の演出
大人の浴衣や夏着物も、やはり素材と色が重要です。
綿や綿麻、絽や紗など、通気性のよい素材を選ぶと、暑さの感じ方が変わってきます。
色は、夜の花火大会なら、少し深みのあるネイビーや紺地に涼やかな柄を合わせると、光とのコントラストがきれいに映えます。
昼間のお祭りなら、白地や淡い色で、見た目にも涼しくするのもおすすめです。
季節の花や、うちわ・金魚といった夏らしいモチーフは、写真に写ったときにも季節感を伝えてくれると思います。
夫婦で楽しめる落ち着いた浴衣・着物スタイル
夫婦でそろえるなら、まったく同じ柄にする必要はありません。
椿さくらは、色のトーンをそろえる方法をよく提案しているそうです。
「ご夫婦の場合、まったく同じ柄にする必要はありません。
色のトーンをそろえるだけで、ぐっと“お似合いのふたり”になります。」
たとえば、奥さまが明るい紺地に花柄の浴衣なら、ご主人は少し落ち着いた紺やグレーの浴衣を選ぶイメージです。
帯や下駄の色味を少しリンクさせると、並んだときの一体感が出ますし、写真でもバランスよく見えると思います。
着物で快適に過ごすための準備とポイント
暑さ対策(インナー・汗対策・移動ルート)
夏の花火大会は、どうしても暑さとの戦いになります。
椿さくらは、インナー選びと「こまめな休憩」が何より大切だと話しています。
「肌着は、汗をすばやく吸う素材のものを選ぶと、着物の中がべたつきにくくなります。」
吸汗速乾タイプのインナーや、さらりとした素材のステテコなどを中に取り入れると、汗をかいても快適です。
移動ルートも、できるだけ日陰や風通しの良い道を選ぶと体力の消耗を抑えられると思います。
子どもがぐずらないための工夫
子どもは、大人より暑さや疲れを感じやすいです。
次のような工夫が有効だと感じます。
- 会場まではできるだけ歩く距離を短くする
- 抱っこやおんぶを想定して、帯の位置や結び方を工夫する
- 靴擦れ防止に、足の指の間にワセリンや絆創膏を用意しておく
「“長く歩かせない”ことが、結果的に家族全員の笑顔を守ります。
会場の近くまで公共交通機関を使い、歩く距離を減らすのも一つの工夫です。」
動きやすさを左右する帯結び・履物の選び方
動きやすさには、帯と足元が大きく関わってきます。
大人であれば、華やかすぎる変わり結びよりも、シンプルで背もたれに寄りかかりやすい帯結びを選ぶと、休憩もしやすくなります。
履物は、普段から履き慣れている高さの下駄や草履を選ぶことをおすすめします。
長時間歩く予定なら、台が柔らかめのものや、足にフィットするものを選ぶと安心です。
花火大会で気をつけたい混雑&安全ポイント
花火大会は人出が多くなり、予想以上に混雑します。
特に子ども連れの場合は、次のようなポイントに気をつけたいと思います。
- 迷子防止のために、待ち合わせ場所を事前に決めておく
- 会場のマップを確認し、トイレや非常口の位置を把握しておく
- 濡れた路面や段差など、裾を踏みやすい場所では歩幅を小さくする
裾を少し持ち上げて歩くことや、子どもの手をしっかりつなぐことも、大切な安全対策になります。
当日の持ち物チェックリスト(保存版)
家族で共有したい最低限の必需品
ここでは、実際にお客様にお伝えしている持ち物の一例をご紹介します。
- ハンカチ・タオル(汗拭き用)
- 小さめの扇子やうちわ
- ウェットティッシュ
- 飲み物(熱中症対策のため)
これらは、家族で共有できる基本アイテムだと思います。
着物ならではのプラスアイテム
着物や浴衣ならではの「あると安心」なアイテムもあります。
- 絆創膏(靴擦れ対策)
- 安全ピン・小さなクリップ(帯や衿の応急処置)
- ハンディミラー(着崩れチェック用)
「着物だからといって、特別なものが大量に必要なわけではありません。
ただ、靴擦れや帯のゆるみなど“よくあるトラブル”を想定した準備をしておくと、安心して楽しめます。」
写真撮影がスムーズになる便利アイテム
写真をたくさん残したいご家族には、次のようなアイテムも便利だと思います。
- スマホ用のモバイルバッテリー
- レンズ拭きクロス
- 三脚代わりになるスマホスタンド(場所が許せば)
バッテリー切れやレンズの汚れを防ぐだけでも、撮れる写真の質が変わってきます。
花火大会・お祭りでの家族の過ごし方アイデア
人混みを避けつつゆったり楽しむルート選び
人混みを避けるには、「どこで見るか」と同じくらい「どのルートで行き来するか」が重要だと思います。
- メイン通りを避け、少し裏道を使う
- 早めに会場に入り、人が増える前に場所を確保する
- 帰りの混雑を避けるために、少し早めに移動を始める
事前に地図アプリで混雑しそうなエリアを確認しておくと安心です。
子どもと一緒に楽しめる屋台・遊び方
お祭りといえば、屋台や出店も楽しみの一つです。
ただ、あまりに長時間屋台を回ると、子どもが疲れてしまうこともあります。
- 事前に「1人○回まで」などゲームやくじの回数を決めておく
- 食べ歩きしやすいものを選び、休憩スペースで一度落ち着いてから食べる
- 金魚すくいなど、着物の裾が濡れないように親がそばでサポートする
こうした工夫をすると、トラブルを減らしつつ、屋台も満喫できると思います。
家族写真を撮るベストタイムとスポット
家族写真は、明るさと人の少なさを意識すると撮りやすくなります。
- まだ明るさが残る夕方の時間帯に、会場や神社の前で一枚
- 花火が始まる少し前、場所取りをしたあとに落ち着いて撮る
- 屋台の提灯や灯りを背景に、立ち姿や親子ショットを撮る
花火の真下よりも、少し離れた場所の方が、花火と家族を一緒に写しやすいと感じます。
帰宅後の着物ケアは“最小限でOK”の方法
帰宅後は、できるだけ負担なく片づけたいところです。
最低限、次のポイントを押さえておくと安心です。
- 着物や浴衣をハンガーにかけ、風通しの良い場所で湿気を飛ばす
- 汗が気になる部分があれば、軽く乾いた布で押さえる
- 帯や小物は形を整えてから片づける
レンタルの場合は、細かなクリーニングまで自分で行う必要はないことが多いです。
自宅でできる範囲のケアをしてから、案内に沿って返却すれば十分だと思います。
家族で着物を楽しむための準備は「気軽さ」が大切
購入よりレンタルが選ばれる理由
家族全員分の着物や浴衣をそろえる場合、購入するとそれなりの負担になります。
また、子どもはすぐに成長するため、毎年サイズが変わってしまいます。
「最近は、家族全員分をレンタルでそろえる方がとても増えています。
必要なものが一式セットになっていて、届いたらそのまま着付けができるサービスも多いので、準備がぐっと楽になります。」
サイズや柄のバリエーションが豊富なレンタルサービスであれば、
家族で相談しながら、それぞれに似合う一着を選びやすいと感じます。
フルセットで届くサービスの安心感
フルセットで届くレンタルなら、
- 着物・帯・腰ひも・帯板などの小物
- 草履やバッグ
- 必要なものが一通りそろっている
といった安心感があります。
「何を買い足せばいいのか分からない」という不安も減らせると思います。
自宅に届いた荷物を開けて、家族みんなで「どんな柄かな」と話す時間も、イベントの一部になります。
家族全員のサイズ・好みをそろえやすいメリット
ネットレンタルのカテゴリーページでは、「子ども用」「女性用」「男性用」などが分かれていることが多く、
家族全員のアイテムをまとめて比較しやすいです。
夏祭りや花火大会向けの着物・浴衣がまとまっているページを活用すると、
- 子どもは明るく元気な柄
- 親は落ち着いた色味でリンクコーデ
- 祖父母を含めた三世代コーデ
といった選び方もしやすくなります。
「今年の夏は家族で着物にしてみようかな」と思ったときは、こうしたカテゴリーページからイメージをふくらませてみると良いと感じます。
まとめ|家族で着物を着て楽しむ夏は、一生の宝物になる
最後に、椿さくらから、これから夏のお出かけを考えているご家族へのメッセージです。
「着物を着ると、同じお祭りや花火大会でも、時間の流れ方がゆっくりと感じられます。
帯を締めるときの高揚感、歩くたびに聞こえる下駄の音。
そうした一つひとつの感覚が、家族の記憶として積み重なっていきます。」
「完璧でなくて大丈夫です。
まずは一度、“今年の夏は家族で着物を着てみようか”と、声をかけてみてください。
きっと、何年たっても語りたくなる一日になります。」
お祭りや花火大会は、毎年やってきます。
ですが、「家族全員が同じタイミングでそろって出かけられる夏」は、意外と多くありません。
今年の夏は、家族で着物をまとって、特別な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
その一歩を後押しするために、家族向けの着物・浴衣がまとまったネットレンタルのカテゴリーページも、ぜひ活用してほしいと思います。
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