なぜお宮参りを祝うのか？意味・由来・準備までわかる総合ガイド

2025年11月17日

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「お宮参りって、どうして行くの？」「赤ちゃんにわざわざ着物を着せる意味ってあるの？」
初めてのお子さまや、久しぶりの出産だと、こんな疑問や不安を持つ方はとても多いと思います。

この記事では、京都の町家で育ち、祖母から茶道や着付けを学んできた社員・椿さくらが、お宮参りの「意味」や「なぜ祝うのか」という本質から、赤ちゃんの産着（祝い着）に込められた願い、当日の服装や準備のポイントまで、順番にお話しします。

「行くべきかどうか迷っている」「ちゃんとした形でお祝いしてあげたい」と感じている方にとって、少しでも判断材料になればうれしいです。

まず結論：お宮参りは「赤ちゃんの無事な誕生と成長を願う伝統行事」

お宮参りは、一言でいうと
「赤ちゃんの誕生を神様にご報告し、これからの無事な成長を願う、はじめてのご挨拶」
だと考えています。

赤ちゃんがこの世に生まれてきてくれたこと。
お母さんやご家族がここまで頑張ってこられたこと。
そのことに感謝を込めて、神社やお寺に足を運ぶ行事です。

どうして「生後30日前後」に行われるのか

昔から、男の子は生後31日、女の子は生後32日ごろにお宮参りをするとよい、という目安があります。
これは、地域や旧暦などの影響もあり、細かい数え方はさまざまですが、

産後の一定の期間を過ぎて
お母さんと赤ちゃんの体が少し落ち着いたころ

というタイミングの目安だと考えられてきました。

ただ、椿さくらがお話を伺ってきたご家庭では、実際には
**「生後1ヶ月〜3ヶ月くらい」**でお宮参りをされる方が多いです。

真夏や真冬を避けて、
「赤ちゃんに負担が少ない時期にずらしました」
という声もよく聞きます。

昔ながらの目安は大切にしながらも、
いちばん大事なのは赤ちゃんとお母さんの体調だと思います。

現代でも大切にされる理由（家族の節目・記念写真の文化）

今は医療も発達し、昔ほど「生きるかどうか分からない」という不安は減りました。
それでもお宮参りが残っているのは、

赤ちゃんの誕生をみんなで喜ぶ
家族が一堂に会する「節目」になる
写真として形に残り、将来見返せる

こうした価値があるからだと感じます。

椿さくらのもとにも、
「上の子と同じように、下の子にもきちんとお宮参りをしてあげたい」
「写真を並べて飾りたいので、きちんと残しておきたい」
というご相談が多く寄せられます。

形式だけの行事ではなく、
“家族の歴史の1ページ” をつくる時間だと捉えていただくと、意味がぐっと伝わりやすくなると思います。

お宮参りはいつ・どこで行う？基本の流れ

「いつ行けばいい？」「どこに行けばいい？」というご質問もとても多いです。
ここでは、一般的な目安と、実際に多い流れをご紹介します。

いつ行くのが一般的か（男の子31日／女の子32日などの目安）

昔ながらの目安としては、

男の子：生後31日目
女の子：生後32日目

と言われることが多いです。
ただ、現代ではこれにこだわりすぎる必要はないと考えています。

お母さんの産後の回復具合
赤ちゃんの体調
真夏・真冬など気候条件
上のきょうだいの予定やご家族の都合

これらをふまえて、**「だいたい生後1〜3ヶ月ごろ」**を目安に考えていただくとよいと思います。

行う場所（神社／寺院）

お宮参りと聞くと「神社」のイメージが強いですが、地域によってはお寺でのお参りをされることもあります。

昔からご家族でお世話になっている神社
地元の氏神様がお祀りされている神社
安産祈願をした場所と同じ神社

などを選ばれる方が多いです。

どこが正解というものではありませんので、
**「ご家族にとってご縁を感じる場所」**を選んでいただくのが一番だと考えます。

当日の流れ（受付 → 祈祷 → 撮影 → 食事会）

一般的な一日の流れは、次のようなイメージです。

神社やお寺に到着
受付で祈祷の申込み・初穂料（お布施）を納める
本殿や本堂でのご祈祷
境内や近くの場所で記念撮影
家族で食事会（お宮参り祝いを兼ねて）

もちろん、すべてを行う必要はありません。
「祈祷はせず、家族で参拝と写真だけ」というスタイルも増えていると感じます。

お宮参りの服装：赤ちゃん・父母・祖父母の正しい選び方

続いて、多くの方が迷われるのが「何を着て行けばいいの？」という服装の問題です。
ここでは、赤ちゃん、両親、祖父母それぞれの服装の考え方を整理していきます。

赤ちゃん：産着（祝い着）を掛ける理由と意味

お宮参りの主役である赤ちゃんには、白い内着の上から、色や柄の入った**産着（祝い着）**を掛けるのが一般的です。

この産着には、

健康に育ってほしい
将来幸せな人生を歩んでほしい
家を継ぎ、家族を守る存在になってほしい

といった、さまざまな願いが込められています。

産着を選ばれたお母さまの中には、
「自分が着た産着をお直しして、子どもにも着せました」
「里帰り先のおばあちゃんが用意してくれました」
という方も多く、その家ごとの物語が宿っていると感じます。

最近では、写真映えするデザインを意識して選ぶ方も増えています。
ネットで産着のデザインを一覧で見比べながら選べるサービスもあり、
遠方のご両親とも画面を見ながら相談できるので、便利になったと思います。

母親の服装：着物・ワンピース・フォーマルの目安

お母さんの服装は、次のような選択肢があります。

訪問着や色無地などのセミフォーマルな着物
セレモニースーツ
上品なワンピース＋ジャケット

大切なのは、赤ちゃんより目立ちすぎないことと、
写真を見返したときに「きちんと感」が伝わる装いかどうかだと考えます。

着物を選ばれるお母さまは、
「一生に一度の行事なので、子どもの産着と一緒に写真を残したい」
という方が多い印象です。

一方で、授乳や抱っこのしやすさを優先して、ワンピースやセレモニースーツを選ぶ方も増えています。
どちらが正解というより、ご自身の体調や動きやすさとのバランスが大切だと思います。

父親の服装：スーツの色とマナー

お父さんは、落ち着いた色のスーツが基本です。

ブラックスーツ
ネイビーのスーツ
グレーのスーツ

など、ビジネスにも使えるようなきちんと感のあるスーツであれば十分だと感じます。

ネクタイは、明るすぎる派手な色よりも、
白・シルバー・淡いブルーなど、上品な色味を選ぶと、お宮参りの雰囲気に合いやすいです。

祖父母の服装：場にふさわしい装いとは

祖父母の服装も、お父さん・お母さんと同じく、きちんと感を大切にすれば問題ありません。

おばあさま：訪問着・色無地・セレモニースーツなど
おじいさま：ダークカラーのスーツ

このとき意識していただきたいのは、
「主役は赤ちゃんである」ということです。

椿さくらは、
「おじいちゃま・おばあちゃまが張り切りすぎてしまって、主役が誰か分からなくなってしまう」
という場面も何度か見てきました。

写真を見返したときに、
「赤ちゃんを中心に、家族みんなが優しく囲んでいる」
そんな一枚になるよう、全体のバランスを意識して装いを選んでいただくとよいと思います。

暑さ・寒さの対策と当日の注意点

お宮参りは、季節によってはかなり過酷な環境になることもあります。
特に真夏や真冬は、赤ちゃんへの負担も心配ですよね。

夏のお宮参り：
- 日陰の多い神社を選ぶ
- 参拝時間を午前中の涼しい時間帯にする
- 産着の下は薄手の肌着で調整する
冬のお宮参り：
- 防寒できるケープやブランケットを用意する
- 赤ちゃんの手足が冷えすぎていないか、こまめに確認する

大人もフォーマルな服装になるため、
**「長時間の外出は避け、要所をぎゅっとコンパクトに」**まとめると、みんなが笑顔で過ごしやすいです。

産着（祝い着）にはどんな意味があるのか？柄・色の選び方

ここからは、産着そのものに込められた意味について、少し深く見ていきたいと思います。

男の子の柄：鷹・兜・松などに込められた願い

男の子の産着には、次のような柄がよく使われます。

鷹（たか）：見通しの良い眼、鋭い観察力、力強さ
兜（かぶと）：強さ・勇ましさ・身を守る力
松・竹：一年中青々とした生命力、長寿の象徴

こうした文様には、
「強く、たくましく育ってほしい」
という親御さんの願いが込められています。

椿さくらがご案内していると、
「本人が大きくなったときに、“こんな願いを込めて選んだんだよ”と話してあげたい」
というお声も多く、柄選びはとても大切な時間だと感じます。

女の子の柄：友禅・花柄・熨斗目の意味

女の子の産着には、

桜・梅・牡丹などの花柄
手毬（てまり）
熨斗（のし）
友禅模様

といった、華やかでやさしい柄が多く使われます。

花柄：美しさ・愛らしさ・豊かな人生
手毬：丸くおさまる人間関係、子どもの遊びの象徴
熨斗：お祝いごと全般につながる縁起物

こうした柄には、
「明るく、周りから愛される人になってほしい」
という想いが込められていると考えます。

写真に映える色の考え方

最近は、写真映えを意識されるご家庭が多くなりました。
産着の色を選ぶときは、

赤ちゃんの肌の色
お母さん・お父さんの服装の色
撮影場所（神社の鳥居、緑の多い境内など）の背景

との相性を見ると、ぐっとバランスがよくなります。

「実家の伝統の色も大事だけれど、写真で見たときの満足度も大事」
というお声も多く、
「伝統」と「今っぽさ」を両方取り入れたデザインが人気だと感じます。

ネットレンタルの産着では、
複数のデザインをまとめて画面上で比較でき、
「この柄はかわいいけれど、こっちのほうが写真向きかも」
と、ご家族で相談しながら選べるのが大きなメリットです。

一式セットでレンタルできるサービスなら、
産着に合わせて必要な小物もまとめて届くので、準備の負担もぐっと軽くなると思います。

よくある質問：みんな「ここが不安」だった

ここからは、お宮参りのご相談で特に多い「よくある質問」と、その考え方をご紹介します。

祈祷は必須？参拝だけでも大丈夫？

「祈祷を申し込むべきかどうか」で悩まれる方も多いです。

ご祈祷は、

赤ちゃんの名前を読み上げていただき
無事な成長を祈願していただく

という意味では大変ありがたいものだと思います。

一方で、
「費用面や時間、赤ちゃんのご機嫌を考えて、今回は参拝だけにしました」
というご家庭もあります。

大切なのは、
“しなければいけないからする”ではなく、“感謝の気持ちをどう表現するか”
という視点だと感じます。

ご家庭の事情に合わせて、無理のない形を選んでいただいて大丈夫です。

両親だけでもOK？

祖父母と予定が合わない、遠方で来られない、というケースもあります。

その場合、
両親と赤ちゃんだけのお宮参りでも、まったく問題はありません。

むしろ、
「まずは家族三人でお宮参りをして、写真を焼き増しして祖父母に送ります」
というスタイルも増えており、
それはそれで温かい形だと感じます。

授乳やおむつ替えはどうする？

赤ちゃん連れのお出かけで、いちばん気になるのがこの点だと思います。

授乳室やおむつ替えスペースがある神社や、近隣の施設を事前に確認しておく
車で行く場合は、車内を授乳・おむつ替えのスペースとして使えるように準備しておく
撮影や祈祷の前後に、赤ちゃんのペースに合わせて小まめに休憩を入れる

など、
「大人の予定に赤ちゃんを合わせる」のではなく、「赤ちゃんのペースに予定を合わせる」
という考え方でスケジュールを組んでいただくと、当日がかなり楽になります。

兄弟がいる場合の流れ

上のお子さんがいるご家庭では、

上の子の衣装
当日の退屈対策
集合写真での立ち位置

などもポイントになります。

上のお子さんにも、
「あなたもこの神社でお宮参りをしたんだよ」
とお話ししながら、一緒に写真を撮ると、きょうだいの絆を感じられる一枚になります。

衣装は購入とレンタル、どちらが多い？

産着や家族の衣装は、購入される方も、レンタルを利用される方もいらっしゃいます。

購入される方は、
「記念に手元に残しておきたい」
「下の子や親戚にも着せたい」
という理由が多いです。

レンタルを選ばれる方は、

着る機会が限られている
保管場所やお手入れが大変
その時々の好みに合わせて選びたい

といったお考えが多い印象です。

ネットで衣装を選び、自宅に一式が届くサービスなら、
忙しい子育て中でも準備がしやすく、
「着終わったらそのまま返送するだけ」という手軽さから、利用するご家庭は確実に増えていると感じます。

お宮参りの準備チェックリスト

最後に、当日までの準備をスムーズに進めるためのチェックポイントをまとめます。

必要な持ち物

母子手帳
授乳グッズ（ミルク・哺乳瓶・ケープなど）
おむつ・おしりふき・ビニール袋
ガーゼハンカチ・タオル
赤ちゃん用の着替え一式
産着・帯など一式
大人のハンカチ・ティッシュ
祈祷料（初穂料）

これらを小分けにしておくと、当日慌てずに済みます。

当日のタイムスケジュール例

午前中のお宮参りを想定した一例です。

8:00　赤ちゃんと大人の支度開始
9:30　神社に到着
10:00　祈祷
10:30　境内での記念撮影
11:30　移動して食事会
14:00　解散

あくまで目安ですが、
**「詰め込みすぎないこと」**が大切だと考えます。

混雑を避ける時間帯・写真撮影のベストタイミング

休日や大安の日は混み合うことが多いので、

少し早めの時間帯に参拝する
あえて平日を選ぶ

という方法もあります。

写真撮影は、
赤ちゃんのご機嫌と、自然光のきれいな時間帯を考えると、
午前中の遅すぎない時間が向いていることが多いです。

衣装一式や小物をまとめて借りられるネットレンタルを活用すると、
「当日に足りないものがあった」という事態を防ぎやすく、
準備のストレスも減らせると感じます。

まとめ：意味を知ると、お宮参りは「家族の節目」になる

お宮参りは、単なる「しきたり」ではなく、

赤ちゃんの誕生を神様にご報告し
無事な成長を願い
家族みんなで「ここまで元気に育ってくれてありがとう」と伝える

そんな温かな行事だと私は考えています。

意味を知ったうえで準備を進めると、
産着の柄や色、家族の服装、一日の過ごし方まで、
ひとつひとつの選択に「自分たちらしさ」を込められるようになります。

椿さくらは、いつもお客様にこうお伝えしています。

「お宮参りは“しなければいけない行事”ではなく、
“赤ちゃんの誕生とご家族の歩みをそっと祝う節目”だと思います。
完璧を目指すよりも、みなさまが笑顔でいられる形を選んでくださいね。」

赤ちゃんの産着や、ご家族の衣装を整えておくことで、
当日の動きもスムーズになり、記念写真の仕上がりもぐっと良くなります。