着物コーディネーターの椿さくらです。
お宮参りのご相談を受けていると、最近とても増えてきたのが、
- 「赤ちゃんだけでなく、家族みんなでちゃんとした衣装を着たい」
- 「兄弟や姉妹もフォーマルにした方がいいのでしょうか?」
- 「当日はどんな流れで過ごすとスムーズですか?」
といったお声です。
お宮参りは赤ちゃんが主役の行事ですが、同時に「家族の節目の一日」だと私は感じています。
ここでは、家族・兄弟・姉妹で衣装を整えて過ごす良さと、当日の過ごし方を、着物のプロとしての視点からお話ししていきます。
お宮参りは「赤ちゃんだけの行事」ではなく「家族の節目」
お宮参りは、赤ちゃんの誕生を神様に報告し、健やかな成長を祈る行事です。
昔は、産後のママの体を気遣って、祖父母が代表してお参りに行くことも多かったと聞いています。
京都の町家で育った私は、祖母からこんなふうに教わりました。
「昔はね、お嫁さんはできるだけ家で休んでいてもらって、おじいちゃんおばあちゃんが赤ちゃんを連れて神社に行ったのよ」と。
一方、今は家族の形も変わり、
- パパ・ママ・赤ちゃん
- そこに兄弟姉妹、祖父母も加わった三世代
といった形で「家族全員でお宮参りに行く」ご家庭が増えています。
私はこの変化を、とてもあたたかいものだと感じています。
赤ちゃんの節目であると同時に、
- 兄弟にとっては「お兄ちゃん・お姉ちゃんになった記念日」
- パパママにとっては「子育ての新しいスタート」
- 祖父母にとっては「孫の誕生を皆で祝う日」
でもあるからです。
だからこそ、衣装を整えることは「家族の節目を形に残す」大事な要素になると思います。
家族・兄弟・姉妹で衣装を揃えるメリット
写真の完成度がぐっと上がる
お宮参りの写真を見るとき、真っ先に目に入るのは赤ちゃんの産着です。
ただ、周りのご家族が完全に普段着か、きちんとしたフォーマルかで、写真の印象は驚くほど変わります。
- 産着は華やかなのに、隣にジーンズとパーカー
- ママだけきれいめ、ほかはかなりカジュアル
という組み合わせだと、「せっかくの産着が少しもったいないな」と感じることがあります。
一方、ママ・パパ・兄弟・祖父母まで、色味や雰囲気をそろえているご家族は、写真全体にまとまりが生まれます。アルバム用に仕上がったときの満足度も、やはり高いと感じます。
兄弟・姉妹の「参加意識」が高まる
上のお子さまがいる場合、よく聞くのが
- 「赤ちゃんだけ特別な服でずるい」
- 「自分も主役になりたい」
という小さな不満です。
ここに少しだけ配慮して、兄弟・姉妹にも“特別な一着”を用意してあげると、
- 赤ちゃんを紹介する「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」としての誇らしさ
- 一緒にお祝いしているという実感
がぐっと高まります。
私の体感ですが、兄弟用の衣装をきちんと用意されているご家庭は、当日のお子さまのご機嫌も安定しやすいと感じています。
祖父母や親世代の満足度が上がる
祖父母世代の方とお話ししていると、
- 「ちゃんとした晴れ着を用意してくれてうれしい」
- 「この写真なら、親戚にも自慢できるわね」
といった言葉を、よく耳にします。
家族みんなで衣装を整えることは、赤ちゃんのためだけでなく、
- 祖父母の「晴れがましい気持ち」
- パパママの「ちゃんとしてあげられた」という安心感
にもつながるのだと思います。
役割別・家族で統一感を出す衣装選びのコツ
ここからは、ママ・パパ・兄弟姉妹、それぞれの立場から衣装の選び方を具体的に見ていきます。
ママの衣装:訪問着 or 上品ワンピース
お宮参りのママの定番は、
- 訪問着や色無地などの着物
- セレモニースーツやきれいめワンピースなどの洋装
の二つです。
着物は、
- 産着との相性が良く、写真映えする
- フォーマル感がしっかり出る
という点で、とてもおすすめです。
一方で、産後まもない時期ですので、
- 体調
- 授乳のしやすさ
- 長時間の移動があるかどうか
も考えて選んでいただくことが大切だと思います。
洋装であれば、
- 授乳口付きワンピース
- ゆったり目のセレモニースーツ
など、動きやすく疲れにくいものを選ぶと安心です。
私はいつも、「見た目のきちんと感」と「ママの体が楽でいられるか」を両方大事にしていただきたいとお伝えしています。
パパの衣装:スーツ or 羽織袴風の和装
パパは、
- ダークカラーのスーツ+白シャツ+控えめなネクタイ
であれば、ほとんどの神社で問題なく、写真の印象もきちんとまとまります。
和装を選ばれる場合は、羽織袴風のスタイルも素敵です。
ただ、慣れていないと少し動きづらく感じる方もいらっしゃるので、
- 車の運転が多い
- 小さなお子さまを抱っこする時間が長い
といった場合には、スーツの方が現実的なことも多いと思います。
兄弟・姉妹:年齢別のおすすめ
兄弟・姉妹の衣装は、年齢によってポイントが少し変わります。
- 未就学児
動きやすさ・脱ぎ着のしやすさを最優先にします。
フォーマル風のワンピースやシャツ+ハーフパンツなど、「きちんと見えるのに楽」な服がおすすめです。 - 小学生以上
本人の好みも出てくるので、
「色や柄は本人に選んでもらい、フォーマル度は大人が調整する」
というバランスが良いと感じます。
「色合わせ」の実践例
家族で統一感を出すには、「色のテーマ」を一つ決めてしまうのが簡単です。
例えば、
- ベージュやグレーなどのニュアンスカラーでまとめる
- 春なら淡いピンクやミント、秋ならボルドーや深緑をポイントにする
- 赤ちゃんの産着が赤系なら、家族はベージュ・グレー・ネイビーで支える
といったイメージです。
最近は、産着・ママの訪問着・兄弟フォーマルなどをカテゴリごとに探せるネットレンタルも増えています。
同じサイト内で色味を見比べながら選ぶと、「家族コーデ」が作りやすいと感じます。
お宮参り当日の流れと、家族の過ごし方
具体的な一日の流れをイメージしておくと、当日のバタつきがぐっと減ります。
一般的な一日のタイムスケジュール例
- 自宅で準備・お着替え
- 神社に到着、受付
- ご祈祷
- 神社の境内や近くで記念撮影
- 会食や自宅での団らん
撮影付きのプランを利用される場合は、
- 先にスタジオで撮影 → その後に神社
- 神社お参りの前後どちらかに撮影
というパターンが多いです。
赤ちゃんやママの体力面を考えると、「長時間になりすぎない組み合わせ」を意識していただくと良いと思います。
神社でのマナーと気をつけたいポイント
神社によって細かなルールは異なりますが、一般的には、
- 社殿内では静かに歩く
- 撮影禁止の場所ではカメラを構えない
- ご祈祷中はスマートフォンを触らない
といった点に気をつけていただければ大丈夫です。
撮影については、事前に
- 境内で撮影してよい場所
- 三脚やストロボの使用可否
を確認しておくと安心です。
兄弟が飽きない工夫
小さなお子さまは、待ち時間がどうしても退屈になりがちです。
私は、
- 小さなおやつ(音の出ないもの)
- 手のひらサイズのおもちゃや絵本
を少しだけ持っていくことをおすすめしています。
ただし、社殿内では飲食やおもちゃがNGのことも多いので、
- 社殿の外で待つ大人と一緒に過ごす
- ご祈祷が短時間の神社を選ぶ
といった工夫も一緒に考えておくと安心です。
移動・授乳・おむつ替えの動線づくり
お宮参りの日は、
- 赤ちゃんのおむつ替え
- 授乳のタイミング
- ママのトイレ休憩
をどう挟むかが、実はとても重要です。
私はいつも、
- 神社や撮影場所の近くに、授乳室やベビールームがあるか
- トイレの場所と数
- 駐車場から社殿までの距離
を事前に調べておくことをおすすめしています。
スケジュールを詰め込みすぎず、少し余白を持たせておくと、当日も気持ちに余裕が生まれると思います。
家族写真を綺麗に残すためのポイント
せっかく家族みんなで衣装を整えるなら、「写真の残り方」にも少しだけこだわっていただきたいです。
立ち位置・並び順のコツ
- 中央:赤ちゃんを抱いたママ or パパ
- その両側:もう一人の親と兄弟姉妹
- 外側:祖父母
という並びにすると、バランスが取りやすくなります。
三世代写真の場合、
「中央に赤ちゃん、そのすぐ横にママ・パパ、その外側に祖父母」
という配置が多い印象です。
明るさ・影を避ける場所選び
快晴の日の神社はとても気持ちがいいのですが、真っ昼間の強い日差しは、
- 顔にくっきり影が出る
- 目を細めてしまう
といった原因にもなります。
- 木陰
- 社殿の軒下
- 柔らかい日陰
など、「明るいけれど直射日光が当たらない場所」を探して撮ると、写真の仕上がりがぐっと優しくなると思います。
赤ちゃんが泣いてしまった場合の対処
赤ちゃんが泣いてしまうのは、むしろ自然なことです。
私は、
- まずは抱っこや授乳で落ち着くまで待つ
- 無理に正面からの一枚にこだわらず、抱っこされている後ろ姿や横顔も撮る
ことをよくご提案します。
泣いている表情も、数年後には「こんな時期もあったね」と笑って振り返る、大切な一枚になると感じています。
季節別・天候別の注意点
夏のお宮参り
夏場は、とにかく暑さ対策が最優先です。
- 吸汗性の良いインナー
- 首元に当てられるタオル
- こまめな水分補給
を意識していただきたいです。
着物の場合も、長襦袢や肌着を夏用素材にするだけで、体感が変わることがあります。
冬のお宮参り
冬は、
- 厚手のコート
- ストールやショール
でしっかり防寒しつつ、
社殿の中や写真撮影のときにはコートを脱いで、フォーマルな装いを見せられるように準備しておくと安心です。
足元も冷えやすいので、
- タイツ
- 足袋インナー
などで、見えないところを温かくしておくと良いと思います。
雨の日の工夫
雨の日は、
- 裾が汚れにくいよう、歩き方を少し小またに
- 濡れても目立ちにくい色の靴
- 家族で色味の合った傘を用意しておく
と、写真に写ったときにもきれいに見えます。
私は、雨のお宮参りの写真もとても好きです。
しっとりとした境内の雰囲気が、逆に特別な一枚を生んでくれると感じています。
衣装をレンタルでそろえる場合のポイント
最後に、ネットレンタルで家族の衣装をそろえるときのポイントをお伝えします。
レンタルのメリット
お宮参り用の衣装をレンタルでそろえると、
- 必要なものが一式セットになっている
- 自宅に届き、返却も簡単
- クリーニング不要
といったメリットがあります。
また、ママ用の訪問着や兄弟フォーマル、祖父母用の礼服などを扱うサイトもありますので、うまく選べば「家族全員の衣装を一つのサイトで完結させる」ことも十分可能だと思います。
失敗しないためのチェックリスト
レンタルを選ぶときは、次の点を確認しておくと安心です。
- セット内容(帯・小物・肌着・足袋など)が揃っているか
- サイズ表記が身長・ヒップなど具体的に書かれているか
- お宮参りの利用日に間に合う配送スケジュールか
- 返却方法や期限がわかりやすいか
特に、ママや兄弟姉妹の衣装は、サイズ感が重要です。
サイトに載っている「身長の目安」「号数」などをよく確認し、迷ったときは少しゆとりのあるサイズを選ぶと安心だと思います。
カテゴリーページをうまく活用する
ネットレンタルのサイトには、
- お宮参り用の産着カテゴリ
- ママ用訪問着・色無地のカテゴリ
- 兄弟フォーマル・子どもスーツやドレスのカテゴリ
といった形で、用途ごとに衣装が整理されていることが多いです。
最初に、
- 「お宮参り用の産着」のカテゴリで主役の一着を決める
→ その後「ママ用の着物」のカテゴリで色を合わせる
→ さらに「子どもフォーマル」のカテゴリで兄弟の服を選ぶ
という流れで見ていくと、家族全体のコーディネートがとてもしやすくなると感じています。
まとめ:家族みんなで整えたお宮参りは、10年後のアルバムで差が出る
お宮参りは、赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な日です。
同時に、家族にとっても「新しい物語が始まる節目の日」だと私は思います。
- 家族・兄弟・姉妹で衣装を揃えることで、写真の完成度が高まり、
- 兄弟の参加意識や、祖父母の満足度もぐっと上がり、
- 数年後、アルバムを開いたときの喜びも大きくなります。
当日の流れやマナー、季節ごとの注意点を少しだけ押さえておけば、お宮参りはもっと穏やかで、心に余裕のある一日になります。
特別な一日を、「行ってよかったね」「このとき、こんなことがあったよね」と、何度も家族で語り合えるように――。
衣装を整えることは、その“未来の会話”まで一緒に用意することだと、私は感じています。
まずは、主役の赤ちゃんの産着から。
そして、ママ・パパ・兄弟姉妹の衣装へと、家族全体のコーディネートをイメージしながら、衣装選びを始めてみてください。
用途別に整えられた衣装カテゴリを上手に活用すれば、ご自宅にいながらでも、家族みんなで晴れやかな一日を迎える準備ができると思います。
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