「どうして入学式って、こんなに大事にされるんだろう?」
「入学式には、どんな意味があるの?」
お子さまの入学を控えると、ふとこんな疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。準備に追われていると、入学式が「形式だけの行事」にも見えてしまいます。
ですが、入学式はただのセレモニーではありません。
子ども・家族・学校・地域の「関係」を確認する、大切な節目だと感じています。
そして、その節目の日に保護者がどのような装いで立ち会うかも、実はとても大きな意味を持っています。
この記事では、
- 入学式の成り立ちや「なぜ祝うのか」といういわれ
- 入学式を通して家庭と学校が確認していること
- 保護者の装い・着物の意味と、失敗しない服装選びのポイント
を、フォーマル着物コーディネーター・椿さくらの視点から、できるだけやさしくお伝えします。
この記事を書いた人
椿(つばき)さくら/フォーマル着物コーディネーター・社員
京都の町家育ちで、幼いころから祖母に茶道・着付け・和裁を教わってきました。大学では日本文化と比較文化を学び、留学生に着物文化を紹介する活動もしていました。
成人式で自分の振袖を着たとき、「着物には、人の心を前向きにする力がある」と実感し、人生の節目を着物で彩る仕事を続けています。現在は、入学式・卒業式・結婚式などフォーマルシーンの装い相談を年間通して数多くお受けし、「その人らしさ」と「場にふさわしい品格」を両立させるコーディネートを提案しています。
「心によりそう、和のおもてなし。
あなたの“特別な一日”に、まごころを込めてお手伝いします。」
入学式は「人生の節目」を祝う日本の伝統行事
入学式の起源(明治時代〜)
日本に今のような学校制度が整えられたのは、明治時代以降です。
当初は入学の時期もまちまちで、寺子屋のように「入りたい時に入る」という形も多かったと言われています。
その後、近代的な学校制度が整い、学年や学期がはっきり区切られるようになるにつれて、「新しくその学校に入る日」をみんなで祝う入学式という形が定着していきました。
会計年度が4月はじまりになったこともあり、日本では「春=新しい生活のスタート」というイメージが強くなりました。桜の季節とともに進級・進学が重なるのも、日本ならではの文化だと感じます。
式典として大切にされてきた理由
入学式は、単なる「行事」ではなく、教育の一部として位置づけられています。
- 学校に正式に迎え入れられる日
- 子どもが新しい集団の一員になることを意識する日
- これからの学校生活のルールや心構えを共有する日
として、長く大切にされてきました。
校長先生の話や、在校生からの歓迎の言葉なども、形式に見えて、実は「この学校で一緒に学んでいこうね」というメッセージです。
欧米の入学儀礼との違い
海外でも入学や新学期を祝う文化はありますが、日本ほど「入学式」という形で全員が正装し、保護者も一緒に参加する国は多くありません。
日本の入学式は、
- 子ども本人だけでなく「家族の節目」として捉える
- 学校・家庭・地域がそろってお祝いする
という点で、とても日本的な行事だと感じます。
椿さくらのひとこと
「ランドセルと桜並木。これは、海外の方から見ると“絵本の世界みたい”と言われることもあります。それくらい、日本ならではの入学風景なのだと思います。」
入学式を祝う本当の意味とは?
子どもの成長と自立を社会全体で祝う
入学式は、子どもが新しい世界へ踏み出す第一歩です。
- 自分の机
- 自分の教科書
- 自分で歩いていく通学路
すべてが「自分のもの」になっていく始まりのタイミングです。
大人から見れば「まだまだ小さい」と感じるかもしれません。
それでも子どもにとっては、自分で選び、自分で行動する場が一気に増えていきます。
「入学式は、その大きな一歩を周囲の大人が正式に認めてあげる場だと思っています。
“よくここまで育ってくれたね。これからも見守っているよ”というメッセージを、式という形で伝える日なのです。」(椿)
家庭と学校の「つながり」を示す
入学式には、保護者の方も多く出席します。それは、学校と家庭がこれから協力し合って子どもを育てていくことを、目に見える形で示すためでもあります。
- 学校の教育方針を知る
- 担任や教職員の顔を知る
- 同じ学年の保護者や子どもたちの存在を感じる
こうした経験を通して、「うちの子だけ」ではなく「みんなで育てていく」という感覚が生まれていくのだと思います。
新しい生活を前向きに迎える儀式
入学式には、緊張と同時にワクワクもつきものです。
式の中で校歌を歌ったり、教室で先生の話を聞いたりすることで、「ここがこれから自分の居場所なんだ」と実感していきます。
儀式としての入学式があることで、子どもも保護者も気持ちを切り替え、新しい生活を前向きに受け止めやすくなります。
保護者が出席する意味:姿勢とマナーの象徴
子どもを支える親としての立場
「親はどんな服装で行けばいいの?」
この質問の裏側には、「浮きたくない」「恥をかきたくない」という不安と同時に、「子どもに失礼のないようにしたい」という思いもあるはずです。
入学式に保護者が出席するのは、
- 子どもの門出を、親として正式に見届ける
- これから学校と協力していく覚悟を示す
という意味があると感じています。
「お子さまは、当日は緊張しながらも、ちらちらと保護者の方の席を見ています。
そのとき、いつもより少しだけきちんとした姿のお母さま・お父さまがそこにいることは、大きな安心感につながるのではないでしょうか。」(椿)
フォーマルな装いが求められる理由
入学式は学校行事の中でも「式典」とされる場です。
そのため、普段着ではなくフォーマルな装いが基本とされています。
フォーマル=堅苦しい、ではなく、
フォーマル=「この場を大切に思っています」というサインだと私は考えています。
あまりにもラフな服装だと、「特別な日」を軽く見ているように受け取られてしまうこともあるかもしれません。
装いは「節目の記念」を形にする
入学式の日の写真は、卒業アルバムや家庭の写真アルバムなど、形を変えて長く残ります。
そのときに写る保護者の装いは、
- その家庭がどんなふうにお祝いしたのか
- どんな想いで子どもを送り出したのか
を物語る要素にもなります。
「とびきり派手である必要はありませんが、“特別な日”だとわかる装いをしてあげることは、お子さまにとっても大切な記憶になると思っています。」(椿)
入学式の服装選び:失敗しない基本マナー
母親の正礼装・準礼装(和装・洋装)
お母さまの装いは、
- 和装(訪問着・色無地・付け下げなど)
- 洋装(セレモニースーツ・ワンピース+ジャケットなど)
のどちらを選んでもかまいません。
入学式は「お祝いの場」なので、黒一色の礼服よりも、やわらかい色合いのフォーマルウェアがふさわしいとされています。
和装の場合は、略礼装〜準礼装にあたる訪問着・付け下げ・紋付き色無地などがよく選ばれます。
洋装の場合は、ジャケット+スカート(またはパンツ)のセレモニースーツが一般的です。
訪問着・色無地・付け下げの違い
ざっくりとした違いは次のようなイメージです。
- 訪問着
裾から肩にかけて絵柄がつながる華やかな着物。入学式、結婚式列席、七五三など幅広いフォーマルシーンに対応できます。明るく上品な柄を選べば、入学式にもよくなじみます。 - 付け下げ
訪問着よりも柄が控えめで、落ち着いた印象の着物。入学式のように「改まりすぎず、でもきちんとしたい」場にとても使いやすいと感じます。 - 色無地(紋付き)
柄のない一色の着物。色と紋の数によって格が変わります。淡い色の一つ紋入り色無地は、入学式・卒業式・お茶会などに重宝します。
「どれが正解というより、“学校の雰囲気”と“ご自身の好み”のバランスで選んでいただくのが一番です。迷ったときは、控えめな柄ゆき・やわらかな色合いを選ぶと安心感があります。」(椿)
ネットレンタルの場合は、「入学式向け」「ママ用フォーマル着物」などのカテゴリで、あらかじめシーンに合う着物だけを絞って表示してくれるサービスも多いので、そこから選ぶと失敗が少ないと感じます。
洋装(セレモニースーツ)の選び方
洋装を選ぶ場合は、
- ベージュ・ネイビー・グレージュなどの落ち着いた色
- ツイード調や無地など、派手すぎない素材
- ひざ丈〜やや長め丈のスカートやワンピース
を基準にすると、入学式の雰囲気になじみやすくなります。
アクセサリーやコサージュで、ほんの少し華やかさを足すと、写真に写ったときにもバランスがよくなります。
祖母・父親の服装の考え方
お祖母さまが出席される場合、和装なら色留袖よりも訪問着・色無地が柔らかく、入学式にはふさわしいと感じます。洋装なら、落ち着いた色のセレモニースーツやジャケットスタイルがよく選ばれます。
お父さまは、ダークスーツに白シャツ+控えめなカラーのネクタイが基本です。
ネクタイは、紺・シルバー・淡いブルーなどを選ぶと、フォーマルでありながら堅くなりすぎません。
入学式は「華やかすぎない上品さ」が正解
入学式はお祝いの場ではありますが、結婚式のように華やかさを競う場ではありません。
- 原色のドレス
- 大きなラメやスパンコール
- 露出の多いデザイン
などは控え、「上品で柔らかな印象」を意識すると安心です。
「主役はあくまでお子さま。保護者の装いは、主役を引き立てる背景のような存在であると、私は考えています。」(椿)
和装・洋装どちらを選ぶにしても、オンラインのフォーマルウェア専門サイトでは、入学式向けの着物やスーツをまとめたカテゴリページが用意されていることが多いです。そこから選べば、TPOに合ったアイテムだけを比較できるので、忙しい時期の準備がぐっと楽になります。
写真に残る“晴れの日”だからこそ整えたいポイント
写真映えする色・柄
入学式の写真は、桜や校舎を背景に撮ることが多いです。
和装であれば、
- 淡いピンク・クリーム・薄藤色・水色など
- 小花柄や上品な古典模様
洋装であれば、
- ベージュ・ライトグレー・ネイビーなどの無地や細かい柄
を選ぶと、背景や他の保護者の方ともなじみ、写真に写ったときの印象が柔らかくなります。
校門写真で浮かない装い
校門の前での集合写真やスナップでは、たくさんのご家庭が一度に写ります。
- 一人だけ極端に派手
- カジュアルすぎる
- 黒一色で喪のように見える
といった状態だと、後から写真を見返したときに違和感が残ってしまうこともあります。
全体の雰囲気の中で「ほどよくきちんと、ほどよく華やか」を意識しておくと安心です。
家族写真での統一感の作り方
家族写真を撮る場合は、家族全員の色合いが大きくずれすぎないように意識すると、統一感が出て素敵に仕上がります。
- お子さまのランドセルや制服の色
- お母さまの着物・スーツの色
- お父さまのネクタイの色
などをどこか一箇所でもリンクさせると、写真全体がまとまって見えます。
フォーマル着物やスーツのネットレンタルサイトでは、家族でコーディネートしやすい色味の着物やスーツを集めたページを用意しているところもあります。そうしたカテゴリから選ぶと、家族全員のバランスをイメージしやすいと感じます。
入学式に着物を選ぶご家庭が増えている理由
フォーマルとしての格の高さ
着物は、日本のフォーマルウェアとして長く大切にされてきました。
入学式のような「お祝いの場」にも、とてもよく合います。
訪問着や付け下げ、色無地などは、
- 格を守りつつも
- 主役であるお子さまより目立ちすぎない
絶妙なバランスを取りやすい装いです。
「“きちんとして見えるのに、どこか柔らかく優しい”
そんな印象をつくれるのが、入学式で着物を選ぶ大きな魅力だと感じています。」(椿)
季節感のある色柄
春の入学式に合わせて、
- 桜
- 若芽
- 霞模様
など、春らしさを感じる柄ゆきの着物も多くあります。
着物の色・柄で季節を取り入れることで、「その日ならではの一枚」に仕上がります。
レンタルで気軽に準備できる時代に
「着物は素敵だけれど、一式そろえるのは大変そう」
という声もよく耳にします。
最近は、フォーマル着物を一式でネットレンタルできるサービスも増えています。
- 着物・帯・長襦袢・帯締め・帯揚げ・草履バッグなど、必要なものが一式そろう
- 入学式向けのコーディネートに絞って選べるカテゴリページがある
- 使う日程に合わせて自宅に届けてもらえる
といった点から、入学式だけ着物を楽しみたい方には、とても便利な方法だと感じます。
目的に合わせた衣装選び:こんな方におすすめ
母親が上品に仕上げたい
「せっかくの入学式だから、きちんと感のある装いで出席したい」
というお母さまには、淡い色合いの訪問着や付け下げ、落ち着いた色のセレモニースーツがおすすめです。
オンラインのフォーマル着物レンタルでは、入学式向けの訪問着・付け下げをまとめたカテゴリがあることも多いので、そこから好みの一着を選ぶとイメージしやすくなります。
祖母が和装を着たい
お祖母さまが和装で出席されると、世代を超えた「日本の晴れの日」という雰囲気がぐっと増します。
入学式であれば、重たい印象になりすぎない色無地や訪問着がよく選ばれます。
ネットレンタルでも、年齢に合わせた落ち着いた色柄の着物を集めたページが用意されていることが多く、世代ごとのコーディネートを考える上で参考になります。
きちんと見せたい家庭
「ふだんはカジュアルだけれど、節目の場ではきちんと整えたい」
というご家庭にも、フォーマル着物やセレモニースーツのレンタルは便利です。
- 家族全員の衣装をまとめてチェックできる
- 着物・スーツどちらも入学式向けのアイテムだけを比較できる
といったカテゴリページを活用すると、「何を着たらよいか分からない」という不安を少しずつ解消しながら選べるのではないかと思います。
写真映えを重視する方
「後から写真を見返したときに、思わず笑顔になれる一枚にしたい」
そんな方には、着物やスーツの色味を家族で揃えるコーディネートがおすすめです。
ネットレンタルのサイトでは、似たトーンの着物・スーツ・子ども用フォーマルをそろえたカテゴリページもあるため、家族写真をイメージしながら選びやすいと感じます。
まとめ:入学式は“節目を形にする日”。装いも大切なメッセージ
入学式は、
- 子どもの成長と自立のスタートを祝う日
- 家庭と学校、社会との「つながり」を確認する日
- 新しい生活を前向きに受け止めるための儀式
だと私は考えています。
そして、保護者の装いは、
- この日をどれだけ大切に思っているか
- 子どもにどんなメッセージを伝えたいか
を、言葉以上に伝える手段にもなります。
和装でも洋装でも、
「主役はお子さま」という軸を大切にしながら、
ご家庭らしい一着を選んでいただければと思います。
フォーマル着物やセレモニースーツをまとめて選べるネットレンタルのカテゴリーページを活用すれば、入学式にふさわしい装いを、忙しい時期でも効率よく探すことができます。
「どんな装いを選ぶにしても、“おめでとう”の気持ちが真ん中にあること。
それがいちばん大切だと、私は思っています。
そのうえで、『せっかくなら、この日らしい一着を』と感じられたら、和装も洋装も、どうぞ楽しみながら選んでみてくださいね。」(椿)
入学式は一日だけの行事ですが、その日の写真や記憶は、お子さまの心の中で長く生き続けます。
ご家族にとって納得のいく装いで、その門出を見守る一日になりますように。
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