お子さまの入学式は、家族にとっても大きな節目だと思います。
「服装はどこまできちんとした方がいいのか」
「家族みんなでフォーマルをそろえる必要はあるのか」
「入学式の家族での過ごし方は、みんなどうしているのか」
そんな疑問を感じて、検索されている方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで、入学式・卒業式・七五三など、多くのご家族の晴れの日の装いをお手伝いしてきました。京都の町家で育ち、祖母から着付けや茶道を学んだこともあり、「大切な一日をどう整えるか」という視点には、いつも強い思い入れがあります。
ここでは、現場での経験をもとに、入学式を家族で衣装を着て過ごす良さと、具体的な入学式の家族での過ごし方についてお話ししていきます。
入学式は「家族の節目」を形に残す一日です
入学式は、お子さまにとって学校生活のスタートですが、実は「家族の節目」でもあると感じています。
保育園・幼稚園から小学校へ、あるいは小学校から中学校へと環境が変わり、生活リズムや親子の関わり方も少しずつ変わっていきます。その“変わり目”に、家族みんなで正装をして集まる機会は、そう多くはありません。
私が印象的だと感じるのは、写真の力です。
何年か経ってアルバムを開いたとき、主役のお子さまだけでなく、お父さまお母さま、祖父母さまもきちんと装って並んでいる一枚は、その時の空気ごと蘇らせてくれます。
毎年たくさんのご家族の入学式をお手伝いしてきましたが、**「あのとき家族でちゃんと服をそろえてよかったです」**というお声は、本当によく伺います。服装はあくまで“外側”のことですが、その準備に時間をかけることで、心も自然と「晴れの日」モードになっていくのだと思います。
入学式を家族で衣装を着て過ごす良さ
子どもの自信と安心感につながる
入学式の朝、お子さまは少なからず緊張しています。初めての校舎、初めてのクラスメイト、初めての先生。大人が思う以上に、小さな胸はドキドキしていることが多いです。
そのとき、隣に立つお父さまお母さまが、いつもより少しフォーマルで、きちんと整った姿でいてくださると、お子さまは「今日は特別な日なんだ。でも、一人じゃない」と感じやすくなります。
実際に、式の前は表情がこわばっていたお子さまが、家族写真の時間になるとふっと笑顔になり、「パパとママも、なんかかっこいいね」と照れながら話してくれたことがありました。
その瞬間を見たとき、家族で衣装を整えることは、子どもの心を支えるやさしい後押しになると改めて感じました。
家族写真の完成度がぐっと上がる
入学式といえば、校門前や桜の木の下での家族写真が定番です。
ここで大きく差が出るのが「衣装の統一感」です。
例えば、お子さまは明るい色のフォーマル、お母さまは淡い色のセレモニースーツ、お父さまはネイビーのスーツ。きょうだいや祖父母さまも、落ち着いたトーンで揃えていると、写真全体がやわらかくまとまります。
反対に、それぞれが全く別方向の色やテイストの服を選んでしまうと、どうしても写真の印象が散らばってしまいます。プロの目線で見ても、「服装のバランス」は写真のクオリティに直結すると感じます。
和装と洋装が混ざるご家族でも、色味を合わせるだけで統一感は出ます。たとえば、お母さまが淡いピンクの訪問着なら、お父さまのネクタイに同系色を取り入れたり、きょうだいのワンピースやシャツに少しだけピンクを使ったりすると、とてもきれいにまとまります。
祖父母にとっても「一生の思い出」になる
最近は、祖父母さまも一緒に入学式に参加されるご家庭が増えています。遠方から前泊して来られる方も多いです。
せっかく足を運ばれるなら、祖父母さまにもフォーマルな装いを楽しんでいただくと、「晴れの日に呼んでもらえた」という喜びがより一層強くなると感じます。
控えめな色のスーツや、やわらかなトーンの着物など、世代に合った上品なフォーマルは、写真の中でもとても素敵に映えます。
当日の動きがスムーズになる
家族で衣装をそろえる過程では、事前に「誰が何を着るか」「当日の動きはどうするか」を話し合うことが多いです。
そのプロセス自体が、段取りの共有になります。
特に着物を選ばれる場合は、移動時間や着付けの時間を逆算して準備する必要があります。そうしたスケジュール感を家族で共有しておくと、当日のバタバタや「聞いていない」という行き違いが減り、落ち着いて過ごせると思います。
入学式で失敗しない家族の衣装選び
ここからは、家族それぞれの立場から「どのような衣装を選ぶと安心か」を具体的にお話しします。
お母さまの装い:着物と洋装、どちらでも大丈夫です
入学式のお母さまの装いは、着物でも洋装でも問題ありません。
大切なのは、「主役はお子さま」という軸を忘れないことだと思います。
着物の場合
入学式では、格としては訪問着・付け下げ・色無地あたりが一般的です。
未婚既婚を問わず着られるフォーマルで、華やかすぎず上品な印象にまとまります。
色は、
・淡いピンク
・クリーム
・水色
・若草色
など、春を感じるやさしいトーンがよく選ばれます。柄も、桜や牡丹、藤、霞文様など、季節感のあるものは写真映えも良いです。
お母さまのお着物は、あくまで「お子さまを引き立てる晴れやかさ」が目安です。柄や色で迷われたときは、**「後から写真を見返したとき、主役が誰に見えるか」**をイメージしてみていただくと、自然と選ぶ軸が見えてくると思います。
洋装の場合
洋装なら、セレモニースーツやワンピース+ジャケットが定番です。
色はベージュ、アイボリー、ライトグレー、ネイビーなど、落ち着いた明るさを意識すると、入学式らしいやわらかな雰囲気になります。
ジャケットは明るめ、スカートやパンツは少し濃いめの色にすると、全体が引き締まって見えます。小物(バッグやパンプス)は黒やベージュでまとめると失敗が少ないです。
お父さまの装い:シンプルなフォーマルが一番
お父さまは、ダークカラーのスーツが基本です。
ネイビーやチャコールグレーなど、ビジネスでも使える色で構いません。
ネクタイで少し「お祝い感」を出すのがポイントです。
・淡いブルー
・シルバー
・薄いピンク
など、明るめの色を選ぶと、お写真の映りも柔らかくなります。
お母さまが着物の場合は、ネクタイの色を着物の差し色に合わせると、夫婦で自然な統一感が生まれます。
きょうだいのフォーマル:主役を立てつつ、写真に映える服
きょうだいの服装は、「少し控えめ」を意識するとバランスが取りやすいです。
- 女の子なら、シンプルなワンピース+ボレロ
(色はネイビー・グレー・淡いピンクなど) - 男の子なら、シャツ+ジャケットやベストのセレモニースタイル
柄ものを選ぶ場合は、小さめのチェックやドットなど、写真でうるさく見えないものがおすすめです。
祖父母のフォーマル:上品さと歩きやすさを意識して
祖父母さまは、フォーマルすぎず、上品にを意識するとよいと思います。
- 男性:ダークスーツ+落ち着いたネクタイ
- 女性:ワンピース+ジャケット、または柔らかな色のスーツ
着物なら、華やかすぎない色無地や控えめな訪問着がぴったりです。長時間の移動や階段を考えると、足元は安定感のある靴をおすすめしています。
家族で統一感を出す「色合わせ」のコツ
テーマカラーを1つ決める
色合わせに迷ったときは、テーマカラーを一つ決めると、ぐっと楽になります。
例えば、
- お子さまのランドセルの色
- 制服や通学帽の色
- 桜色(ピンク系)
- ネイビー系
などを基準にして、家族のどこかに同じ色を少しずつ散りばめていきます。
お母さまの着物の地色をテーマにしても良いですし、ネクタイ・コサージュ・バッグ・ネイルなど、ワンポイントでリンクさせてもきれいです。
NGになりやすい組み合わせ
避けた方がよいのは、
- 全員が原色に近い強い色でバラバラに主張している
- 黒一色で喪のイメージに寄ってしまう
というパターンです。
ご家族全員の衣装をベッドの上などに並べてみて、**「このまま集合写真にしたらどう見えるか」**をイメージしてみてください。
誰か一人だけ浮いて見えないか、目がチカチカする色の組み合わせになっていないかをチェックすると、仕上がりがぐっと上品になります。
着物で入学式に参加する場合のポイント
着物での入学式は、やはり特別感があります。写真映えも良く、後から見返したときに「このとき着物にしてよかった」と感じる方は多いです。
訪問着・色無地の選び方
- 訪問着:華やかさがありつつも、入学式では派手すぎない色柄を意識
- 色無地:地紋のあるものや柔らかい色味を選ぶと、シンプルでも寂しく見えません
柄は、裾まわりに入っているタイプですと、立ち姿や歩く姿がきれいに映えます。
お子さまの隣に並んだときに、柄が顔の真横に来ない程度のバランスだと、主役を邪魔しにくくなります。
季節感を大切にする
入学式は春の行事です。
桜、藤、霞、若葉など、春を感じるモチーフはよく合います。
あまり季節を限定しない古典柄でもかまいませんが、色合いで春らしさを出してあげるとよいと思います。
草履バッグのバランス
草履とバッグは、着物や帯より少し控えめな光沢にすると、全体が落ち着きます。
フォーマル感のあるエナメル調や金銀系でも、ギラギラしすぎないものを選ぶと上品です。
入学式の家族での過ごし方|当日の流れとポイント
ここからは、入学式の家族での過ごし方を、当日の流れに沿ってお伝えします。
当日のスケジュール例
一例ですが、次のようなタイムラインをイメージすると動きやすいです。
- 起床・身支度
- お子さまの持ち物最終チェック
- 家族のヘアセット・着付け・着替え
- 出発(開始時間の30〜40分前には学校に着くイメージ)
- 受付・教室案内
- 式典
- 教室での説明・写真撮影
- 解散後、校門や桜の前で家族写真
着物を着る場合は、ヘアセットと着付けの時間をしっかり確保しておくことが大切です。
ご自宅で着付けをされる方も、当日はいつもより早めに目覚ましをかけておくと安心です。
家族写真を上手に残すコツ
- 校門前はとても混み合うため、式が始まる前か、完全に人が少なくなるタイミングを狙う
- 桜の木の下や校舎の前、教室の黒板前など、「その学校らしさ」がわかる場所を1〜2か所選んで撮る
- 着物の場合は、少し斜めを向き、袖がきれいに見える角度を意識する
実際に、「ゆっくり写真を撮る時間がなかった」と後悔される方も多いので、事前に**「どこで撮るか」「誰に撮ってもらうか」**を家族で話しておくといいと思います。
着物で過ごすときの注意点
- トイレは出発前と到着後など、余裕のあるタイミングで済ませておく
- 階段や段差では、裾を少し持ち上げて歩く
- 雨予報の日は、裾を濡らさないようタオルや予備の足袋を用意しておく
特に小さなお子さまと一緒に動くときは、抱っこや手つなぎの姿勢で裾が踏まれやすくなります。あらかじめ、家の中で少しだけ歩く練習をしておくと本番も安心です。
衣装準備は「ネットレンタルサービス」を賢く使うのも一案です
入学式の前は、持ち物の準備や書類、名前つけなどで、ご家庭はとても忙しくなります。
その中で、家族全員分の衣装を一から揃えるのは、なかなか大変です。
最近は、フォーマル衣装や着物を一式で借りられるネットレンタルサービスも増えています。
- 購入するより費用を抑えやすい
- 必要な小物まで一式そろって届く
- 保管やクリーニングの心配がいらない
- サイズ展開が豊富で、家族それぞれに合うものを選びやすい
特に着物は、自分で一式揃えようとすると、「帯や小物をどこまで準備すればよいか分からない」という声をよく伺います。ネットレンタルなら、着物・帯・長襦袢・帯締め・帯揚げ・草履バッグなどがセットになっているものも多く、当日の負担をぐっと減らすことができると思います。
また、洋装と和装をミックスして選べるサービスもありますので、
- お母さまは着物
- お父さまときょうだいはスーツやドレス
といった組み合わせで、家族全体の雰囲気を整えることもできます。
入学式向けのフォーマル衣装や着物をまとめて見たいときは、入学式用フォーマル衣装のカテゴリーページのような一覧をチェックしてみると、家族のイメージがぐっと固まりやすくなると思います。
まとめ|家族で整えた入学式は、一生ものの思い出に
入学式を家族で衣装を着て過ごす良さは、単に「写真映えするから」という理由だけではないと感じています。
- 子どもの自信と安心感を支えてくれること
- 家族の節目を、形として残してくれること
- 祖父母を含めた“家族の歴史”を、一枚の写真に刻んでくれること
そして、入学式の家族での過ごし方を少し丁寧に整えてあげると、一日はずっと穏やかで、心地よい時間になります。
衣装選びに正解はありません。
ご無理のない範囲で、今のご家族に合ったフォーマルを選んでいただければ十分だと思います。
そのうえで、もし「せっかくなら、家族らしい晴れ姿をきちんと残したい」と感じられたら、着物やフォーマルウェアのネットレンタルサービスや、入学式向けの衣装カテゴリーページも、ぜひ上手に活用してみてください。
入学式は、長い学校生活のはじまりの一歩です。
その瞬間に、ご家族みなさまの笑顔と装いがそろっていることは、きっと何年たっても心の支えになると感じています。どうか、ご家族らしい晴れの日を、あたたかく楽しんでいただければうれしいです。
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