「どうして成人式ってお祝いするんだろう?」「成人式の意味って、正直よく分からない」「振袖まで着る必要あるのかな」
そんな疑問を持ちながら、このページにたどり着かれた方が多いのではないでしょうか。
SNSや動画では「成人式に行かなかった」「写真だけ撮った」という声もあれば、「行って本当によかった」「振袖を着たことが一生の思い出になった」という声もあります。
成人式は、昔から続いてきた行事ではありますが、その意味は時代とともに少しずつ変化しています。
それでも今もなお、多くのご家庭が時間とお金をかけてこの日を祝うのは、やはりそこに特別な意味があるからだと私は感じています。
この記事では、
- なぜ成人式を祝うのか
- 成人式に込められた意味
- 振袖や羽織袴を着る理由
- 家族で成人式を祝う良さ
- 成人式の準備と着物選びのポイント
を、できるだけやさしく、具体的にお話ししていきます。
よろしければ、着物コーディネーターの私・椿さくらと一緒に、成人式の「いわれ」を少しずつほどいていきましょう。
この記事をお届けする人 — 着物コーディネーター・椿さくらのご紹介
まずは、少しだけ私のことをお話しさせてください。
私は京都の町家で育ちました。幼い頃から祖母に茶道や着付け、簡単な和裁を教わり、気がつけばいつもそばに着物がある生活をしてきました。
大学では日本文化と比較文化を学び、留学生の方に着物や日本の行事についてお話しする機会も多くありました。
自分の成人式では、祖母と一緒に選んだ振袖を着ました。
鏡の前で帯が締まった瞬間、「あぁ、自分は本当に大人になっていくんだな」と、胸の奥がじんわり熱くなったことを今でもよく覚えています。
同時に、「一枚の着物が、人の心をこんなにも支えてくれるのか」と感動し、それがきっかけで着物の世界に進みました。
今は社員として、フォーマルな場にふさわしい色柄のご提案や、行事に向けての心の準備まで、トータルでお手伝いしています。
不安そうなお嬢さまやご家族の表情が、最後にはふっと緩んで笑顔になる瞬間が、私にとって一番の喜びです。
そんな立場から、成人式を祝う意味や、着物をまとうことの価値をお伝えしていきたいと思います。
成人式はなぜ行われるのか?まず結論から
結論からお伝えすると、成人式は
- 大人として社会に迎え入れられる節目を
- 家族や地域の人たちと一緒に確かめ合う儀式
だと私は考えています。
もう少し分けてお話しすると、成人式には次の三つの側面があります。
- 社会の側面
「あなたは、もう自分のことを自分で決めていく大人ですよ」というメッセージを、地域や社会から正式に伝える場。 - 家族の側面
親御さんや祖父母にとって、「ここまで元気に育ってくれてありがとう」と節目を迎えられたことを実感する日。 - 本人の側面
自分で選んだ装いで、人前に立ち、「これから自分の人生を歩いていく」と心を決める日。
成人式は、ただ「20歳になったから集まるイベント」ではなく、
周りの大人と本人が、お互いに区切りを確認し合う大切な機会だと感じています。
成人式の起源と歴史
元服から続く通過儀礼としての成人
日本には、もともと「元服」と呼ばれる通過儀礼がありました。
髪型や服装を改め、名前を変え、大人として認められるための厳かな儀式です。武家や公家の世界では特に重要視されていました。
元服は、今で言うと「子ども用の世界」から「大人の世界」に正式に移る節目だったと言えます。
年齢は時代や身分によって多少違いますが、だいたい十代半ば頃に行われていました。
こうした通過儀礼の考え方が、今の成人式にも受け継がれていると私は感じています。
戦後に生まれた現在の「成人式」
私たちが知っているような形の成人式は、戦後に始まりました。
戦争で多くを失った時代に、「これからの社会を担う若い世代を励ましたい」という思いから企画されたと言われています。
その後、「成人の日」が国民の祝日となり、各自治体が新成人をお祝いする式典を行うことが一般的になりました。
地域ごとの特色はあっても、「若い人たちにエールを送る日」という意味合いは今も続いていると考えています。
現代の成人式と18歳成人
近年、法律上の成人年齢は18歳に引き下げられました。
一方で、多くの自治体では今も20歳前後で成人式を行っています。
これは、
- 高校・大学進学などの進路が落ち着く時期であること
- ご家庭の準備や経済的な負担を考えると、20歳の方が区切りにしやすいこと
などが理由として挙げられます。
実際にお客様を拝見していても、私は20歳前後が「自分らしい振袖や袴を、心から楽しめる年頃」だと感じています。
学生生活の中で培われた友情や、自立に向けた意識が少しずつ育ってきたタイミングだからこそ、成人式の意味もより深く感じられるのではないでしょうか。
成人式に込められた意味
社会的な意味(大人としての自覚)
成人式は、社会からのメッセージの場でもあります。
これからは自分の行動に責任を持ち、自分の人生を自分で選び取っていく。
そのスタートラインに立つことを、周りの大人たちが正式に認めてくれるのが成人式です。
式典での来賓の言葉や、恩師の挨拶は、堅苦しく感じられることもあります。
それでも、その言葉の裏側には「あなたたちを信じているよ」「これからの社会を一緒につくっていこうね」という願いが込められていると私は思います。
家族的な意味(ここまで育ててくれた感謝)
成人式は、親御さんや祖父母にとっても大きな区切りです。
振袖や袴のご相談を受けるとき、
「ここまであっという間でした」「小学生の頃のランドセル姿がついこの間のことのようで…」
と目に涙を浮かべるお母さまも少なくありません。
あるお嬢さまの振袖選びの際、お母さまがふと手を止めて
「七五三のときも赤い着物を選んだんですよ」と、お写真を見せてくださったことがありました。
そのとき、お嬢さまも照れながら笑っていて、
「小さかった頃から見守ってきた時間」と「これからの人生」が、そこにぎゅっと詰まっているように感じました。
こうした瞬間に立ち会うたびに、成人式は「子どもが大人になる日」であるのと同時に、
「親にとっての子育ての一区切りの日」でもあると実感します。
地域コミュニティの意味
成人式では、同じ地域で育ってきた同級生が一堂に集まります。
中学校以来の友人と久しぶりに再会したり、小学校の先生が会場に来てくださったりすることもあります。
それは、個人と家族だけではなく、「地域の一員」としての自分を再確認する時間でもあります。
私も、お客様から「成人式で久しぶりに地元の友だちに会って、また会おうねと約束した」といったお話をよくうかがいます。
女性が振袖を着る意味 — 袖・色・柄に込められた願い
振袖は未婚女性の第一礼装
振袖は、未婚女性の第一礼装とされています。
結婚前に袖を通す、もっとも格式の高い装いの一つです。
「人生のうちで、振袖を正式に着る機会はそう多くありません」とお話しすると、
お嬢さまも親御さんも、ぐっと表情が引き締まることがあります。
成人式の振袖には、「ここまでの成長へのお祝い」と「これからの人生へのエール」が込められていると私は感じています。
長い袖に込められた「厄払い」と「未来への願い」
振袖の大きな特徴は、その名の通り長く優雅な袖です。
昔は「袖を振る」動作に、厄を祓ったり、良いご縁を招いたりする意味があると考えられてきました。
「袖を振る」「袖を通す」「袖を濡らす」といった言葉にも、感情や縁を表すニュアンスが残っています。
成人式で長い袖を揺らしながら歩く姿は、
「これまでの厄や迷いを払い、明るい未来を呼び込む」
そんな象徴のようにも見えると私は思います。
色柄に込められた縁起の意味
振袖の色や柄には、それぞれ意味や願いが込められています。たとえば、
- 赤…古くから魔除けの色とされ、生命力や情熱を表す色
- 桜…春・門出・新しいはじまり。「人生の晴れ舞台」にふさわしい柄
- 松竹梅・鶴…長寿や繁栄、幸せが長く続くようにという願い
私はコーディネートの際、お嬢さまのご性格や普段お召しになるお洋服の雰囲気、
これから歩んでいきたい未来のお話などを伺いながら、一緒に柄を選んでいきます。
「将来は人を笑顔にするお仕事がしたい」と話すお嬢さまには、
柔らかいピンクや明るいオレンジに、愛らしい花々が散りばめられた振袖をご提案したことがあります。
そのときのお顔がぱっと華やいだ表情は、今でも印象に残っています。
男性が羽織袴を着る意味 — 凛とした大人の礼装
武家文化に由来するフォーマルスタイル
男性の羽織袴は、もともと武家社会で礼装として用いられてきました。
きちんとした場で身につける「けじめの服」といった位置づけです。
現代ではスーツも立派なフォーマルですが、
羽織袴には「日本の伝統的な男性の正装」という特別な意味合いがあります。
成人式の日に羽織袴を選ぶことは、「大人としてけじめをつける」という気持ちの表れでもあると感じています。
スーツではなく和装を選ぶ価値
男性の場合、「スーツで十分では?」という声もよく耳にします。
もちろんスーツで参加される方も多く、それぞれのスタイルで良いと思います。
一方で、後から写真を見返したとき、「羽織袴を選んでよかった」とおっしゃる方が多いのも事実です。
ご家族の世代にとっても、「和装姿の息子さん」の写真は、心に残る一枚になります。
以前、普段はカジュアルな服装が多いお客様が、成人式で紋付き袴をお召しになりました。
お母さまがアルバムを開きながら
「この写真を見るたびに、背中を押されるような気持ちになるんです」とお話しされていたのが印象的でした。
家族で祝う成人式 — みんなで着物を着るという選択肢
親御さんも和装で参加する価値
最近は、お嬢さまだけでなく、お母さまやお父さまも和装で成人式に参加されるご家庭が増えてきました。
- お母さま…訪問着や付け下げ
- お父さま…ダークスーツに準礼装のネクタイ、あるいは和装
といった組み合わせです。
「自分だけ振袖で浮いてしまうのでは?」と心配されるお嬢さまも、
ご家族が一緒に和装をしてくださると、表情がふっと和らぎます。
あるご家庭では、最初お母さまが「もう年だから恥ずかしい」とおっしゃっていました。
それでも、お嬢さまが「一緒に着てほしい」とお願いされ、最終的に優しい色味の訪問着をお選びになりました。
式が終わったあと、「娘と並んで写真を撮れて、本当に着てよかった」と涙ぐみながらお話しされていた姿を、私は忘れられません。
家族写真に残る「人生の節目」の一枚
成人式の日に撮影する家族写真は、そのご家庭の歴史の一ページになります。
10年後、20年後にアルバムを開いたとき、
そこに映っているのは、ただの「晴れ着姿」ではなく、
そのときの家族の距離感や、表情、空気感そのものだと私は思います。
お嬢さまが社会人になり、ご結婚され、お子さまが生まれたとき。
その子に「これがママの成人式の写真だよ」と見せる日が来るかもしれません。
そう考えると、一枚の写真が持っている力は、とても大きいと感じます。
成人式に参加するか迷っているあなたへ
ここまでお読みいただいても、まだ
- 「やっぱり行かなくてもいいかな」
- 「人前に出るのが苦手で不安」
と感じておられる方もいらっしゃると思います。
私は、成人式に「絶対に行くべき」「行かなければいけない」とは思っていません。
人にはそれぞれ事情がありますし、静かに節目を迎えたい方もいらっしゃいます。
ただし、あとから耳にする「後悔の声」の多くは、
- 行かなかったこと
- 写真を残さなかったこと
に対するものが多いと感じています。
式典には参加しなくても、振袖や袴で写真だけは残したいという選択肢もあります。
また、洋装ではなく、あえて自分らしいカジュアルな装いで撮影される方もいます。
大切なのは、誰かの決めた「正解」に合わせることではなく、
「自分にとって、どんな形なら後悔が少ないだろう」と考えて選ぶことだと思います。
そのうえで、「着物を着てみたい」という気持ちが少しでも心のどこかにあるなら、
一度、振袖や袴のラインナップを眺めてみてください。
イメージが具体的になると、不思議と心も動き出します。
成人式の準備と着物選びのポイント
ここからは、成人式に向けての準備と、ネットレンタルを前提とした着物選びのポイントをお伝えします。
振袖・袴はいつ頃から探し始める?
成人式の衣装選びは、おおよそ1年前〜半年前くらいから動き始める方が多いです。
人気の柄やサイズは早めに予約が埋まりやすいため、余裕を持って選ぶことをおすすめします。
- 早めに選ぶメリット
- 豊富なラインナップからじっくり選べる
- 小物のコーディネートも含めて検討できる
- 前撮りのスケジュールも組みやすい
ネットレンタルの場合でも、カタログや商品ページを見ながら比較検討できますので、
「気になる柄をブックマークしておく」「家族と一覧ページを見ながら候補を絞る」といった形で、少しずつ検討を進めていくと良いと思います。
レンタルを活用するメリット
成人式の衣装は、購入だけでなくレンタルという選択肢もあります。
ネットレンタルの場合、振袖や袴一式がセットになっていることが多く、
- 必要なものが一式そろう安心感
- 着用後のクリーニングや保管の心配がいらない
- 遠方の式典に参加する場合でも、ご自宅に届いて返却も簡単
といったメリットがあります。
特に、
「成人式以外では振袖を着る予定があまりない」
「収納スペースやお手入れに不安がある」
といったご家庭には、ネットレンタルは現実的で使いやすい方法だと感じます。
当店でも、振袖や男性用羽織袴を一式そろえたレンタルセットをご用意しているので、
まずは成人式用の振袖・袴のカテゴリーページを眺めていただき、
色や柄のイメージをつかんでいただくのが良いと思います。
自分らしい一着を見つけるためのチェックポイント
商品ページやカテゴリーページを見るときは、次のポイントを意識してみてください。
- 好きな色だけでなく、「写真映え」しやすい色かどうか
- 柄の大きさ(大柄・中柄・小柄)と、背丈とのバランス
- 帯や小物とのコーディネート例がイメージしやすいか
- 「かわいい」「かっこいい」「上品」など、なりたい雰囲気に合っているか
ネットレンタルの良いところは、
いくつかの候補を見比べながら、ご家族やご友人と画面越しに相談できることだと思います。
当店の成人式用振袖・袴のラインナップをまとめたカテゴリーページも、
そうした比較検討に役立てていただけるように構成しています。
まとめ — 成人式は「感謝」と「これから」を形にする日
最後に、あらためて成人式を祝う意味を整理してみます。
- 成人式は、大人として社会に迎え入れられる節目を確かめる儀式
- 家族にとっては、「ここまで育ててこられた」という感謝と区切りの日
- 振袖や羽織袴には、「厄払いや未来への願い」「長寿や繁栄」といった意味が込められている
- 家族で和装をして写真を残すことで、その瞬間の空気や絆が形として残る
成人式の過ごし方に、たった一つの正解はないと思います。
式典に参加する形でも、写真だけの形でも、あるいは別の形でもかまいません。
ただ、「あのとき、こうしておいてよかった」と、
数年後の自分が少し誇らしい気持ちで思い出せるような選択をしていただけたらうれしいです。
もし、振袖や袴で成人式を迎えてみたい気持ちが少しでもおありでしたら、
一度、成人式用振袖や男性用羽織袴のカテゴリーページをのぞいてみてください。
画面の中で気になる一着と出会うことが、あなたの「これから」を考えるきっかけになるかもしれません。
あなたの特別な一日が、心から誇れる思い出になりますように。
そのお手伝いができれば、とても光栄に思います。
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