「どうして毎年お正月を祝うのだろう?」
「お正月に着物を着る意味ってあるの?」

当たり前のように迎えてきたお正月ですが、その由来や意味をきちんと説明しようとすると、意外とむずかしいテーマだと思います。とくに、お子さまに聞かれたときや、海外の方に日本文化を説明するときには、言葉を選ぶのに少し迷ってしまいますよね。

この記事では、京都の町家で育ち、幼いころから祖母に茶道や着付けを教わってきた私、社員の椿(つばき)さくらが、

  • なぜお正月をするのか
  • お正月にはどんな意味があるのか
  • そして、どうしてお正月に着物などの晴れ着を身にまとうのか

について、できるだけわかりやすく、ていねいにお話ししていきます。
ご家族でお正月の過ごし方を考えるときや、和装での初詣を検討されるときの参考になればうれしいです。


お正月とは?まず知っておきたい基本の意味

日本のお正月は、単にカレンダーが新しくなる日ではないと感じています。
昔の人にとってお正月は、「その一年を守ってくれる神さま=歳神(としがみ)様」を家にお迎えし、家族みんなの健康や豊作を祈る、とても大切な行事でした。

家の掃除をして、門松やしめ縄を飾り、お供え物を整える。
こうした準備にはすべて、「神さまが気持ちよく来てくださるように」という心づかいが込められています。

今の私たちは、日々の生活の中で神さまの存在を意識する機会は減っているかもしれません。
それでも、

  • 今年も元気で過ごせますように
  • 家族が笑顔でいられますように

と願う気持ちは、昔と変わらないと思います。
お正月は、その願いを「形」にして表す時間だと捉えると、ぐっとイメージしやすくなるのではないでしょうか。


なぜお正月を祝うのか|歴史と由来

歳神様を迎える日本の伝統

古くから日本では、自然や季節の移り変わりの中に「八百万(やおよろず)の神さま」が宿ると考えられてきました。
その中でも、お正月に迎える歳神様は、その一年の「運」や「豊かさ」を司る神さまだとされています。

そのため、年末になると人々は家を清め、門松やしめ縄を飾り、鏡餅を供えます。
これらはすべて、歳神様に

  • ここがあなたをお迎えする家ですよ
  • きれいに整えてお待ちしていますよ

とお知らせするサインのような役割を果たしてきたといわれています。

正月の語源と文化的背景

「正月」という言葉には、「年のはじめをただしく正す」「新しい年をきちんと迎える」といった意味合いがあるとされています。
年末の慌ただしさを抜けて、気持ちを改めるタイミングとして、お正月はとても象徴的な行事だと思います。

暦の変化とともに、お正月の過ごし方も少しずつ変わってきましたが、「一年のはじまりを丁寧に迎えたい」という根っこの思いは変わっていないと感じます。

家族で集まる風習の意味

お正月には、実家に帰省したり、親戚が集まったりするご家庭も多いですよね。
これは、歳神様を迎える「家」という単位を大切にしてきた名残だと私は考えています。

忙しい日常の中では、ゆっくり顔を合わせて話をする機会がなかなか取れません。
だからこそ、一年のはじまりに時間を合わせて集まり、

  • 子どもたちの成長を喜び合う
  • 近況を報告し合う
  • みんなで同じおせち料理を囲む

こうした時間を持つことに、大きな意味があるのだと思います。


お正月の習慣に込められた意味

お正月には、さまざまな習慣があります。
なんとなく続けている方も多いと思いますが、それぞれにきちんと意味が込められていると知ると、行動の一つひとつが少し愛おしく感じられるのではないでしょうか。

初詣の意味

お正月に神社やお寺へ参拝する「初詣」は、
「今年も安全で、良い一年になりますように」と願いを込めて、神さま・仏さまにご挨拶をする行事です。

初詣には、次のような意味があるとされています。

  • 去年一年を無事に過ごせたことへの感謝を伝える
  • これから始まる一年の無事と幸せを祈る
  • 新しいお札やお守りをいただき、心を新たにスタートを切る

改めて言葉にしてみると、初詣は「これから一年、どうぞよろしくお願いします」という、とても丁寧なご挨拶なのだと感じます。

初日の出に込められた願い

元日の朝に見る「初日の出」。
水平線や山の向こうからゆっくりと昇る太陽を眺めながら、心の中でそっと願いごとをした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

初日の出は、「新しい年のはじまりを象徴する光」として大切にされてきました。
夜の暗さから朝の光へと移り変わる様子は、どこか心も一緒に切り替わるようで、私自身もとても好きな時間です。

おせち料理はなぜ食べる?

おせち料理の一つひとつには、さまざまな願いが込められています。
代表的なものを挙げると、

  • 黒豆:まめ(健康的に、まじめに)に働けますように
  • 数の子:たくさんの卵=子孫繁栄
  • 昆布巻き:「よろこぶ(喜ぶ)」に通じる

など、語呂合わせも含めて、とても縁起の良い意味を持っています。
同じ料理を毎年囲むことは、「今年もこの願いを忘れずにいたい」という、ささやかな誓いのようなものでもあると感じます。

地域ごとに味付けや具材が異なる「お雑煮」も、その土地の文化や歴史がぎゅっと詰まったお料理です。
ご実家と今のお住まいで、お雑煮の味比べをしてみるのも、楽しいお正月の過ごし方だと思います。

門松・しめ縄・鏡餅の由来と意味

お正月飾りにも、それぞれ意味があります。

  • 門松:歳神様が迷わず来てくださるように設けた「目印」
  • しめ縄:ここが神さまをお迎えする特別な場所だという印
  • 鏡餅:歳神様へのお供え。あとから家族でいただくことで、ご加護を分けていただくという意味合いも

こうして見ていくと、お正月飾りは単なる「季節の飾り」ではなく、
歳神様をきちんとお迎えするための準備であり、感謝と願いを形にしたものだとわかります。


どうして「お正月は晴れ着」なのか

お正月の街の風景を思い浮かべると、振袖や訪問着、紋付き袴など、和装で過ごす方の姿が印象的ではないでしょうか。
なぜ、お正月には晴れ着を身にまとうのでしょうか。

日本では“晴れの日=晴れ着”という文化

日本の伝統的な考え方では、日常の暮らしを「ケ」、お祝いごとや特別な日を「ハレ」と呼んできました。
お正月は、一年の中でもっとも大きな「ハレの日」の一つだといえます。

その「ハレ」を見た目でも表現するために、いつもとは違う特別な装い=晴れ着を用意してきました。
着物は、日本人にとって「ハレの日を表す最もわかりやすいアイテム」だと私は思います。

袖を通した瞬間に、背筋がすっと伸びて、自然と所作も丁寧になります。
その感覚こそが、お正月らしさそのものだと感じています。

着物を着る意味:新年を整える象徴

お正月に着物を身にまとうことには、いくつかの意味があると思います。

  • いつもと違う装いで、気持ちを切り替える
  • 「一年のはじまりを大切に迎える」という決意を形にする
  • 家族や周りの人への敬意を、装いで表現する

洋服で過ごすお正月ももちろん素敵ですが、
和装だからこそ生まれる緊張感や特別感は、やはり格別だと感じています。

家族写真として和装が人気の理由

最近は、お正月に家族で和装をして、写真を残される方も増えています。
とくに、

  • 三世代そろっての家族写真
  • 小さなお子さまの「初めての着物」姿
  • 兄弟姉妹で色違いコーディネート

などは、後から見返しても心が温かくなる一枚になると感じます。

和装の写真は、そのご家庭ならではの雰囲気や絆がよく伝わります。
私自身、着物に関わるお仕事の中で、「あのとき和装で撮っておいて本当に良かった」というお声を何度も耳にしてきました。

近年は、着物一式を自宅まで届けてくれるネットレンタルサービスも増えています。
訪問着や振袖、お子さま用の着物などもカテゴリごとに探せるサイトが多いので、お正月の家族写真をイメージしながら、衣装のカテゴリーページをゆっくり見比べてみるのも良い方法だと思います。


現代のお正月の過ごし方と変化

初詣・帰省・家族写真など

現代のお正月の過ごし方は、昔に比べて選択肢が増えたと感じます。
王道なのは、やはり

  • 実家への帰省
  • 初詣
  • 家族での食事や団らん

といった過ごし方です。

ここに、和装や記念撮影をプラスするご家庭も増えています。
近所の神社まで着物で歩いていくだけでも、いつもの道が少し特別に見えるのが不思議です。

家族で着物を楽しむ家庭が増えている背景

「普段は洋服だけど、お正月や七五三、卒業式などの節目だけは着物」というスタイルを選ばれる方も多いです。
その背景には、

  • 自分のルーツや日本の文化に触れてみたい
  • 子どもに和装の姿を見せてあげたい
  • 写真としてきれいに残しておきたい

という思いがあるように感じます。

着物に触れるハードルが下がったことも大きいと思います。
ネット上で色柄やコーディネート例をたくさん見られるようになり、イメージがわきやすくなったことも追い風になっていると感じます。

正月の“準備”が簡単になった理由(オンライン化など)

以前は、お正月の支度といえば、

  • 着物の用意
  • 小物一式の準備
  • クリーニングやお手入れ

など、手間や時間がかかるイメージが強かったかもしれません。

今は、ネットレンタルを利用すれば、

  • 必要なセットをオンラインで選べる
  • お正月に合わせて、自宅に一式が届く
  • 使い終わったら、そのまま返送すればよい

という、とても便利な仕組みが整っています。
これなら「着物は着てみたいけれど、準備や保管が心配」という方でも、ずいぶん挑戦しやすくなったと思います。

お正月用の着物や家族での晴れ着を探すときは、和装のカテゴリーページで「用途別」「年代別」に整理されているところを選ぶと、自分たちのシーンに合う衣装が見つけやすいと感じます。


子ども向け|お正月ってどんな日?簡単に説明すると…

お子さまや、海外のご友人に向けて「お正月ってどんな日?」と聞かれたとき、難しい言葉を並べる必要はないと思います。
ポイントを絞って、やさしい言葉で伝えてあげるのがおすすめです。

私なら、まずこう説明します。

「お正月はね、新しい一年がいい年になりますようにって、
神さまと家族にごあいさつする日なんだよ。」

少しだけ説明を足すなら、

  • きれいにお掃除をして、神さまをお迎えする準備をする日
  • 新しい一年のスタートを、お祝いする日
  • 家族みんなで集まって、ごはんを食べたり、遊んだりする日

この3つを伝えると、お子さまにもイメージしやすいと感じます。

もし和装も取り入れるなら、

「せっかくの特別な日だから、いつもと違うお洋服を着てみようか」

と声をかけてみると、「今日は特別なんだ」というワクワクした気持ちが伝わりやすいと思います。


お正月をもっと自分らしく楽しむために

お正月の過ごし方に、「こうしなければいけない」という正解はないと私は思います。
ただ、一年のはじまりを迎えるタイミングだからこそ、少しだけ「いつもと違うこと」を取り入れてみると、思い出に残るお正月になりやすいと感じています。

たとえば──

  • 今年は家族みんなで写真を撮ってみる
  • 一日だけ、和装で初詣に出かけてみる
  • 気になっていた色や柄の着物を、レンタルで試してみる
  • 子どもと一緒に、おせち料理の意味を調べてみる

こうした小さな一歩からでも、お正月の印象は大きく変わります。

和装に挑戦する場合は、用途別にまとまった着物レンタルのカテゴリーページを見てみると、イメージがふくらみやすいと思います。
「お正月向け」「初詣向け」「家族写真向け」などのカテゴリから選べるようになっていれば、ご自身のシーンに合う一着も見つけやすいはずです。


まとめ|お正月は“願いと感謝”を形にする日本の文化

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • お正月は、歳神様を迎え、一年の健康や幸せを祈る日本の大切な行事だと考えられてきた
  • 初詣や初日の出、おせち料理、門松・鏡餅などの習慣には、それぞれ意味と願いが込められている
  • 着物をはじめとする晴れ着は、「ハレの日」を表現し、心を整えるための装いとして、お正月と深く結びついている
  • 家族で和装を楽しむことは、思い出を形に残し、世代をつなぐきっかけにもなる

お正月の意味を知ると、いつもの行事も少し違って見えてくると思います。
新しい一年のはじまりを、どのように迎えるかは、ひとりひとりの自由です。

せっかくの節目の日ですから、

  • 心を整える
  • 大切な人と時間を分かち合う
  • いつもより少しだけ特別な装いを楽しむ

そんなお正月を、自分たちらしく選んでいただけたらうれしいです。
そしてもし、「今年は和装で迎えてみようかな」と感じられたなら、用途別に衣装が探せる着物レンタルのカテゴリーページをのぞいてみてください。
お正月を、今までより少しだけ特別にしてくれる一着と出会えると、私は思います。

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