卒業式は、お子さまにとっての節目であると同時に、家族にとっても大きな節目の一日だと感じます。
普段はなかなか意識しませんが、「ランドセルを背負った最後の日」「学生服を着た最後の日」でもありますよね。
ここ数年、私はフォーマルシーンのご相談を受ける中で、「家族みんなでちゃんとした衣装を整えて卒業式に出たい」というお声を、明らかに多く耳にするようになりました。
スマホで気軽に写真が撮れる時代だからこそ、「せっかく残すなら、ちゃんとした姿で残したい」と考える方が増えているのだと思います。
この記事では、着物やフォーマル衣装のコーディネートを日々お手伝いしている私・椿さくらの視点から、
- 卒業式を家族で衣装を着て過ごす良さ
- 当日の具体的な過ごし方
- 家族ごとの衣装選びのポイント
- 準備をスムーズに進めるコツ
をお伝えしていきます。あくまで私の見解ではありますが、これまで多くのご家庭をお手伝いしてきた経験が、少しでもヒントになればうれしいです。
なぜ今「家族で衣装を揃えて卒業式を迎える」人が増えているのか
まずは、背景から少しだけお話しします。
ここ数年のご相談を振り返ると、「家族で衣装を揃えたい」というご希望は、以前より確実に増えています。とくに、30〜40代のお母さまからのご相談が多い印象です。
その理由として、私は次のような流れがあると感じています。
- 卒業式をしっかり写真で残したいニーズが高まっている
- スマホで撮るだけでなく、「きちんとした家族写真」を残したいと考える家庭が増えた
- コロナ禍を経験し、「家族で過ごせる時間」や「行事のありがたさ」を改めて意識するようになった
「せっかくの卒業式だから、子どもだけでなく家族みんなで晴れやかに迎えたい」という気持ちは、とても自然なものだと思います。
衣装を整えることは、お金や時間もかかりますが、その分「家族で同じ方向を向いてこの節目を祝おう」という意思表示にもなると感じています。
卒業式を家族で衣装を着て過ごす良さ
良さ1:写真に一体感が生まれ、一生の記念になる
ばらばらの服装でももちろん素敵なのですが、実際の写真を拝見すると、やはり色味やフォーマル度が揃っているご家族のお写真は、アルバム全体がぐっと引き締まって見えます。
たとえば、
- お子さまは紺系の袴
- お母さまは淡いベージュ系の訪問着
- お父さまはネイビーのスーツ
という組み合わせですと、「紺×ベージュ」の落ち着いたトーンでまとまり、背景がどんな色でもきれいに映えます。
逆に、お子さまの袴がとても華やかな色合いのときは、親御さんは少し控えめなトーンにして、主役を引き立てる形にするとバランスが取りやすいと思います。
実際に、紺とベージュを基調にまとめられたご家族のお写真は、数年たって見返しても「流行に左右されない上品さ」があり、とても印象に残っています。
良さ2:子どもの「特別な日」を家族全員で祝う空気が高まる
衣装を整えることは、単に見た目の問題だけではありません。
お子さまの立場から見ると、「自分のために家族が装ってくれた」ということ自体が、とても大きな喜びになると感じます。
袴に袖を通したお子さまが、お母さまの訪問着姿や、お父さまのきちんとしたスーツ姿を見て、少し照れながらも誇らしそうにされている場面を、私は何度も見てきました。
ご家族がいつもより少しだけ背筋を伸ばしている様子は、「今日は自分のための日なんだ」と実感させてくれるのだと思います。
親御さんにとっても、衣装を整える時間は「ここまでの成長を振り返る儀式」のような役割を持ちます。
ランドセルを背負わせた日、入学式の朝、初めて制服に袖を通した日…。そうした記憶と、卒業式の装いが一本の線でつながるような感覚をお持ちになる方も多いです。
良さ3:祖父母も含めた「三世代写真」が残せる
最近は、祖父母も卒業式に参加されるご家庭が増えています。
とくに小学校や中学校の卒業式では、三世代でお越しになるケースも少なくありません。
祖父母世代にとって、孫の晴れ姿は格別です。
ご自身も和装がお好きな方ですと、「せっかくなら私も着物を着て行きたい」というお声もあり、その場合、孫・親・祖父母の三世代で和装を揃えることもあります。
「孫は袴、お母さまは訪問着、おばあさまは色無地、お父さまとおじいさまはスーツ」といった組み合わせは、とても上品で、見ている側も幸せな気持ちになります。
こうした三世代写真は、後から振り返ったときに家族の歴史そのものを感じさせてくれるので、できるだけ残しておくことをおすすめしたいと考えています。
卒業式の家族での過ごし方|当日の動きと心構え
式の前|到着時間・写真スポット・身だしなみチェック
当日の朝は、どうしても慌ただしくなりがちです。
衣装を着ていると、普段より移動に時間がかかりますので、私は「いつもの学校に行くときより、少なくとも30分は早めに家を出る」くらいのイメージをおすすめしています。
早く到着できると、
- 人が少ないうちに校門や校舎前で写真が撮れる
- 着崩れや髪型の乱れを落ち着いて整えられる
- 会場の雰囲気を見て、写真の撮り方や立ち位置も考えやすい
というメリットがあります。
袴や着物の場合は、階段や段差で裾を踏んでしまうことがあります。
お子さまには、「階段は少しずつ、手すりを持って上がろうね」と、事前に声をかけておくと安心だと思います。聞き慣れた声で一言伝えるだけで、お子さまの緊張も和らぎます。
式典中|写真撮影のマナーと気をつけたいこと
式典中は、学校ごとのルールがありますので、事前の案内は必ず確認しておきたいところです。
最近は、静かな場面でのシャッター音や、過度な動画撮影に対する配慮をお願いされるケースも増えています。
私自身の考えとしては、
- プログラムの「始まり」と「終わり」など、メリハリのあるタイミングだけ撮影する
- 周りの保護者の視界を遮らない位置から撮る
- フラッシュ撮影は控える
このあたりを意識していただくと、皆さんが気持ちよく式に集中できると思います。
式後|校庭でのスナップ・家族写真の撮り方
式が終わると、校庭や校舎前で写真撮影の時間が始まります。
とくに桜の季節と重なる年は、校舎・校庭・桜を背景にした写真がとても人気です。
家族写真を撮るときには、
- 背景に「校門の校名」や「学校の建物」が入る位置を選ぶ
- 身長の高い方を後ろ、低い方を前に並べて、顔の高さが揃うようにする
- スマホなら「少し上から」撮ってもらうと、全体のバランスが整いやすい
といった点を意識してみてください。
スマホでも、逆光を避けて明るい方向を向いて立つだけで、仕上がりがぐっと良くなります。
また、お子さまが手に持っている卒業証書や、袴帯・小物などもさりげなく写るようにすると、その時の空気感まで写し取れるように感じます。
家族ごとの衣装選び|袴・訪問着・スーツのバランス
ここからは、少し具体的に衣装の選び方のポイントを整理していきます。
卒業生の衣装|袴・スーツ・ブレザー
お子さまの卒業衣装としては、
- 袴スタイル
- ブレザーや制服を生かしたコーディネート
- シンプルなスーツスタイル
などがよく選ばれます。
袴の魅力は、なんといっても「一生に一度の特別感」と「写真映え」です。
ただ、階段や移動の多い学校の場合は、動きやすさとのバランスも考えると良いと思います。
袴の柄や色は、お子さまの好みを尊重しつつ、家族の衣装との相性も意識すると、写真全体に統一感が出ます。
母親の衣装|訪問着・色無地・セレモニースーツ
お母さまの衣装は、卒業式という場の性質から「準礼装〜略礼装」くらいのフォーマル度がちょうど良いとされています。
- 和装なら:訪問着や色無地
- 洋装なら:セレモニースーツやツイード素材のセットアップ
などが代表的です。
色選びのポイントとしては、
- お子さまの袴や制服よりも、少し落ち着いたトーンにする
- ベージュ・グレー・淡いブルー・桜色など、やわらかな色を選ぶ
といったところを意識すると、主役のお子さまを引き立てながら、全体として華やかさも保てると思います。
和装が向いているのは、
- 卒業生が袴スタイルである
- 記念写真を重視したい
- 親子で「和の雰囲気」を楽しみたい
といったご家庭です。
一方、式後にすぐ移動がある場合や、小さなお子さまの世話も同時にされるお母さまの場合は、動きやすいセレモニースーツもとても実用的だと感じます。
父親の衣装|スーツ・略礼服
お父さまは、ダークカラーのスーツや略礼服が基本になります。
同じスーツでも、ネクタイやシャツの色で印象が大きく変わりますので、
- ネクタイを子どもの袴やリボンの色にさりげなく合わせる
- 白シャツで清潔感を出すか、淡いブルーでやわらかい印象にするか
といった工夫をしてみると、家族写真のまとまりがよくなります。
「目立ちすぎないけれど、きちんと感は出したい」というご相談もよくいただきますので、全体のトーンを見ながら、小物でバランスをとるイメージが良いと思います。
祖父母の衣装|無理なく上品に見せるポイント
祖父母世代の方には、長時間の移動や、足元の安全性も大切です。
無理に格式の高い装いを目指すよりも、
- 動きやすいセレモニースーツやジャケットスタイル
- 和装であれば、足元に負担の少ない履き物を合わせる
といった点を優先していただくと良いと考えています。
色は、ベージュ・グレー・紺などのベーシックカラーが安心です。
孫と一緒に並んだときに、主役をじゃましない程度の控えめな華やかさがあると、とても上品に写ります。
衣装準備は“家族分まとめて”がおすすめな理由
卒業式のシーズンは、どうしても準備が集中します。
子ども・母・父・祖父母…と一人ずつ別々に衣装を探していると、気がつけば予算も時間もオーバーしてしまった、というお話も少なくありません。
私としては、できれば早めの時期に「家族全員分の衣装の方向性」を決めてしまうことをおすすめしています。
- お子さま:袴か、制服を生かすか
- 母:和装か洋装か
- 父:スーツの色味
- 祖父母:参加するかどうか、装いのイメージ
こうした大枠が決まると、あとは色合わせをしていくだけになります。
最近は、ネットで卒業袴や訪問着などをまとめてレンタルできるサービスも増えています。
ご自宅からゆっくり比較しながら選べますし、
- 必要な小物が一式セットになっている
- サイズ展開が豊富
- 家族で雰囲気を揃えやすいラインナップになっている
といった点が、大変便利だと感じます。
卒業式の衣装を家族分まとめて探したい方は、
- 卒業袴のカテゴリ
- 訪問着や色無地のカテゴリ
- 家族で和装を楽しめるフォーマル着物のカテゴリ
といった一覧ページから見比べていただくと、全体像がつかみやすいと思います。「この色なら家族で合わせやすそう」といったイメージも湧きやすくなりますので、計画的に準備を進めたい方にはとても良い方法だと考えています。
椿さくら プロフィール|この記事が信頼できる理由
最後に、少しだけ私自身のことをお話しさせてください。
私は京都の町家で育ち、幼い頃から祖母に茶道や着付け、和裁を教わりながら育ちました。
大学では日本文化と比較文化を学び、留学生の方に着物文化をお伝えする活動もしていました。
自分自身の成人式で振袖を着たとき、「布一枚で、こんなにも気持ちが変わるのだ」と強く感動したことを、今でもよく覚えています。
それ以来、「特別な一日に、着物やフォーマル衣装で背中をそっと押してあげられる存在でありたい」と考えるようになりました。
現在は、フォーマルな場にふさわしい色柄の選定や、大切な行事に向けた心の準備まで、トータルで寄り添うことを意識して、日々ご相談をお受けしています。
卒業式・入学式・七五三・成人式など、人生の節目に関わるご家族の物語を、衣装の面からお手伝いできることを、とてもありがたく感じています。
まとめ|卒業式は「家族の物語」を衣装で残す日
卒業式を家族で衣装を着て過ごす良さについて、私なりの視点からお話ししてきました。
- 家族で衣装を整えると、写真に一体感が生まれ、一生の記念になる
- 子どもの「特別な日」を家族全員で祝う空気が高まり、心のけじめにもなる
- 祖父母を含めた三世代写真は、時間が経つほど価値が増していく
- 当日の過ごし方を少し意識するだけで、慌ただしさが減り、穏やかな気持ちで式に臨める
- 衣装は、家族分をまとめて計画的に準備すると、時間も予算も管理しやすい
衣装を整えることは、決して「贅沢」だけではないと私は思っています。
その日をどう記憶に残すか、どんな気持ちで節目を迎えるかを、少しだけ丁寧に選び取る行為でもあります。
もし今、「今年の卒業式をどう過ごそうか」と迷われているご家族がいらっしゃいましたら、
家族で衣装を揃える、という選択肢も、ぜひ一度考えてみていただきたいです。
卒業袴や訪問着、家族で楽しめるフォーマル着物などを一覧で見比べられるカテゴリーページを活用していただくと、イメージも具体的になりやすいと思います。
ご家族にとって、その一日が「写真の中だけでなく、心にもはっきりと残る日」になるように、衣装選びのお手伝いができればうれしいです。
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