結納の日程が決まると、最初に迷いやすいのが振袖の色です。
「淡い色の方が無難なのか」
「成人式で着た赤い振袖でもよいのか」
「黒や濃い色は失礼にならないか」
調べるほど、さまざまな意見が出てきます。
結納の振袖には、誰にでも共通する一色の正解があるわけではありません。
白やピンクなどの淡い色は、清楚で柔らかな印象があります。
一方で、赤、緑、紺、紫などの濃い色にも、お祝いらしい華やかさや格調があります。
大切なのは、色だけで決めないことです。
結納の形式、会場、時間帯、季節、両家の服装、柄や帯との組み合わせによって、同じ色でも見え方は変わります。
この記事では、着物の知識をもとに回答する社員・椿さくらの考え方も交えながら、結納の振袖の色を選ぶための視点をご紹介します。
結納の振袖は何色がいい?先に考え方を整理
結納の振袖では、白、クリーム、薄いピンク、水色などが選ばれやすい傾向があります。
明るく、清楚に見えやすいためです。
ただし、淡い色だけが結納にふさわしいとは限りません。
椿さくらとしては、次のように話をさせて頂きます。
「赤や緑、紺、紫などの濃い色が、結納に向かないわけではありません。会場の広さや照明、柄の華やかさ、帯や小物との組み合わせによっては、濃い色の方が上品に見えることもあると思います」
同じ赤でも、朱赤、深紅、えんじでは印象が異なります。
同じ青でも、水色、青緑、紺では、明るさや落ち着きが変わります。
そのため、「何色がいいのか」を考えるときは、色名だけではなく、振袖全体を見ることが大切です。
なぜ結納の振袖の色選びに迷うのか
現代の結納には、さまざまな形があります。
昔ながらの正式な結納。
両家が集まる略式の結納。
顔合わせを兼ねた食事会。
家庭によって、形式も服装も異なります。
そのため、昔ながらの一つの基準だけでは判断しにくくなっています。
本人は華やかな色を着たい。
母親は落ち着いた色をすすめたい。
相手側の家族がどのような服装をするか分からない。
こうした状況が重なると、色を一つに決めることが難しくなります。
また、成人式では本人らしい華やかさが重視されます。
一方、結納では相手の家族との調和も意識されます。
同じ振袖でも、成人式と結納では、求める印象が少し異なるのだと思います。
結納で選ばれやすい振袖の色と印象
白・クリーム系の振袖
白やクリーム系は、明るく清楚な印象があります。
顔まわりも明るく見えやすい色です。
自宅や昼間の結納では、自然になじむことも多いと思います。
ただし、白地だから結納向きと決めることはできません。
余白が多い振袖は、静かで上品に見えます。
赤、金、緑などの柄が多く入った振袖は、華やかな印象になります。
会場の壁や背景が白い場合は、振袖が同化して見えることもあります。
柄の輪郭や帯との明暗差も確認した方が安心です。
ピンク系の振袖
ピンク系は、優しく親しみやすい印象があります。
お祝いらしい華やかさもあり、幅広い世代になじみやすい色だと思います。
薄桃や桜色は、柔らかな雰囲気です。
濃いローズ色は、華やかで大人らしい印象になります。
同じピンクでも濃淡によって雰囲気は変わります。
色名だけではなく、顔に近い部分の色柄も見て選ぶことが大切です。
赤・えんじ系の振袖
赤は、慶事らしい華やかさを持つ色です。
成人式の印象が強い色ですが、結納で着てはいけないわけではありません。
松竹梅、鶴、扇などの古典柄ともよく合います。
成人式で着た赤い振袖を、結納でもう一度着ることも考えられます。
成人式より落ち着いた印象にしたい場合は、帯揚げ、帯締め、重ね衿、髪飾りなどの色数を抑える方法があります。
赤だから華やかすぎると決めず、柄や小物を含めて考えるとよいと思います。
水色・青・紺系の振袖
水色は、爽やかで明るい印象があります。
青緑は、個性的で落ち着いた雰囲気です。
紺は、知的で大人らしい印象があります。
水色と紺では、同じ青系でも見え方が大きく異なります。
昼間の自然光では、水色の繊細な色合いが分かりやすくなります。
夕方以降の照明では、紺や深い青が印象的に見えることもあります。
緑系の振袖
緑系は、穏やかで上品な印象があります。
和室や木を使った内装とも調和しやすい色です。
若草色は、柔らかく初々しい雰囲気になります。
青緑や深緑は、落ち着きと格調を感じさせます。
濃い緑は、金や白の柄が入ることで、お祝いらしい華やかさが生まれます。
紫系の振袖
紫系には、上品で優雅な印象があります。
淡い藤色は、柔らかく清楚に見えます。
深い紫は、大人らしさと格調を感じさせます。
紫は、帯や小物の色によって、華やかにも落ち着いた印象にも変わります。
黒地の振袖
黒地だから結納に向かないとは、一概には言えません。
黒地には、格調や落ち着きを感じさせる魅力があります。
金彩、刺繍、四季の花、鶴、扇などが華やかに描かれている振袖であれば、お祝いの場にもなじむと思います。
ただし、無地部分が多い黒地の振袖は、会場や照明によって重く見えることがあります。
顔の近くに明るい柄があるか。
帯や重ね衿で明るさを加えられるか。
全身で見たときに華やかさがあるか。
こうした点を確認してから判断するとよいでしょう。
会場によって振袖の色の見え方は変わります
自宅で行う結納
自宅の和室では、畳、障子、木の建具などが背景になります。
淡い色は柔らかく見えやすいと思います。
ただし、白い壁や障子に近い色の場合は、振袖が背景になじみすぎることがあります。
柄の輪郭や帯の色も確認すると安心です。
ホテルで行う結納
ホテルでは、照明、壁紙、じゅうたんなどによって色の見え方が変わります。
広い会場では、赤、緑、紺、紫などの濃い色が映えることもあります。
金彩や大きめの柄も、遠くから見たときに華やかに見えやすいと思います。
料亭で行う結納
料亭では、和の内装や季節のしつらえとの調和も考えます。
古典柄や深みのある色が自然になじむこともあります。
ただし、会場だけで色を決めるのではなく、本人の顔映りや両家の服装も一緒に確認した方がよいでしょう。
季節によって振袖の色を変えるべき?
春だからピンク。
秋だからえんじ。
そのように決める必要はないと思います。
着物では、色だけでなく、柄や帯、小物でも季節感を表せます。
桜、梅、菊、紅葉などには季節の印象があります。
一方で、松竹梅、鶴、扇、七宝などの吉祥文様は、季節を問わず祝いの場で選ばれます。
着物には、季節を少し先取りする考え方もあります。
ただし、現代の結納では厳密に考えすぎず、本人に似合う色や会場との調和も大切にした方がよいと思います。
結納にふさわしい振袖の柄
振袖の柄には、家族の幸せや繁栄を願う意味が込められています。
松竹梅は、長寿や生命力を表す吉祥文様です。
鶴は、長寿や夫婦円満を連想させます。
扇は、末広がりの形から、将来の発展を願う文様です。
七宝は、円が連続する形から、人とのつながりやご縁を表します。
貝桶は、夫婦和合を象徴する文様として知られています。
柄の意味を知ることで、振袖は単なる衣装ではなく、家族の願いを表す装いとして見えてきます。
ただし、柄の意味だけで選ぶ必要はありません。
本人が美しいと感じることも大切です。
成人式で着た振袖を結納でも着られる?
未婚の方であれば、成人式で着た振袖を結納で着ることも考えられます。
成人の日に家族と選んだ振袖を、結婚前の節目でもう一度着ることには、家族的な価値もあると思います。
ただし、着用前には状態を確認してください。
汚れやしみがないか。
裄丈や身丈が今の体型に合っているか。
長襦袢や帯、小物がそろっているか。
草履の状態に問題がないか。
早めに確認することで、直前の慌ただしさを減らせます。
一方で、思い出があるから必ず成人式の振袖を着なければならないわけではありません。
本人が別の色を着たい場合は、その気持ちも大切にした方がよいと思います。
ここが一番迷いやすいポイント
最も迷いやすいのは、候補が二着ほどに絞られたときです。
一着は、家族が安心できる上品な色。
もう一着は、本人が心から着たいと思う色。
どちらにもよいところがあり、何を優先すればよいか分からなくなります。
母親は淡い色をすすめている。
本人は深い緑や紺を着たい。
成人式の赤い振袖を使うか、新しく選ぶか迷っている。
自分だけ振袖で、相手側は洋装になる。
このような場合に、一つの正解を急いで出す必要はないと思います。
まず、結納の形式を確認します。
次に、両家の服装の格を確認します。
会場と時間帯も見ておきます。
そのうえで、本人の顔映りと気持ちを考えます。
家族がその色をすすめる理由。
本人がその色を着たい理由。
それぞれを言葉にすると、帯や小物で調整できることもあります。
まだ会場や相手側の服装が決まっていない場合は、別の視点も確認した方が安心です。
候補を二着残し、必要な情報がそろってから判断する方法もあります。
両家の服装はどこまでそろえる?
全員が和装でそろえる必要はありません。
本人が振袖。
父親は礼服やダークスーツ。
母親は訪問着や上品なワンピース。
このような組み合わせも考えられます。
大切なのは、和装か洋装かではありません。
服装の格が大きく離れないことです。
色を合わせる必要もありません。
正式な結納なのか。
食事会に近い形なのか。
両家がどの程度改まった服装を考えているのか。
この点を事前に共有すると、振袖の色も選びやすくなります。
両家の服装を相談する時間も、家族になる準備の一つだと思います。
ネットレンタルで振袖の色を選ぶのが不安な方へ
画面で見た色と、実際の印象が違うのではないか。
そのように不安になるのは自然なことです。
スマートフォンやパソコンは、画面の明るさや色の設定が異なります。
一枚の写真や色名だけで判断しないことが大切です。
全身写真。
上半身の写真。
衿元や胸元。
袖の柄。
柄の拡大。
複数の写真を確認してください。
地色だけでなく、顔に近い部分にどのような色柄があるかを見ると、着用時の印象を想像しやすくなります。
サイズも身長だけでは決められません。
対応身長に加えて、ヒップサイズ、裄丈、身丈などを確認します。
同じ身長でも、肩幅や腕の長さ、体型によって合う寸法は変わります。
セット内容も確認が必要です。
振袖、袋帯、長襦袢。
帯締め、帯揚げ、重ね衿。
草履、バッグ。
肌着、足袋、補整用品、髪飾りなどが含まれるかも見ておきます。
同じ「フルセット」でも、内容は事業者によって異なる場合があります。
また、利用日までの流れも確認します。
予約可能日。
到着予定日。
着付け日。
配送先。
返却期限。
返却方法。
汚れや破損に関する補償。
不安を「気にしすぎ」と否定する必要はありません。
不安を色、サイズ、セット、配送、補償に分けることで、確認しやすくなると思います。
商品がどのように検品されるのか。
セット内容が発送前に確認されるのか。
問い合わせ先が分かりやすいか。
こうした仕組みが見えることも、安心につながります。
結納の振袖を選ぶ前の確認リスト
振袖を選ぶ前に、次の点を確認してみてください。
・正式な結納か、顔合わせに近い形式か
・会場は自宅、ホテル、料亭のどれか
・開始時間は昼か、夕方以降か
・両家の服装の格は決まっているか
・成人式の振袖を使用するか
・本人が着たい色は何色か
・顔まわりが明るく見えるか
・会場の背景や照明と合うか
・柄や帯を含めて上品にまとまるか
・対応サイズが合っているか
・利用日に予約できるか
・セット内容と配送日程を確認したか
・着付け場所を確保しているか
・家族写真を撮る予定があるか
この確認をしても、一着に決めきれないことはあります。
その場合は、何が決め手になっていないのかを考えてみてください。
結納の振袖の色に関するよくある質問
結納には何色の振袖が一番無難ですか?
白、クリーム、薄いピンク、水色などは、清楚で上品にまとまりやすいと思います。
ただし、会場や本人の顔映りによっては、赤、緑、紺、紫などがよく合う場合もあります。
結納に赤い振袖を着てもよいですか?
赤い振袖も着用できます。
柄や帯、小物を含めて、お祝いらしく上品にまとまっているかを確認します。
結納に黒い振袖は避けた方がよいですか?
黒地という理由だけで避ける必要はないと思います。
金彩や刺繍、吉祥文様が入り、全体に華やかさがあるかを見ます。
白い振袖は花嫁衣装と重なりませんか?
白地の振袖と白無垢は、着物の種類も装い方も異なります。
結納で白地の振袖を着てはいけないという決まりはありません。
成人式と同じ振袖を着てもよいですか?
未婚の方であれば、成人式の振袖を結納で着ることも考えられます。
帯や小物を変えると、落ち着いた印象に整えやすくなります。
相手側が洋装でも振袖を着てよいですか?
和装と洋装が混ざっても問題はないと思います。
ただし、両家の服装の格が大きく離れないよう、事前に確認しておくと安心です。
季節外れの色はありますか?
春はピンク、秋はえんじと決める必要はありません。
季節感は、柄や帯、小物でも表現できます。
ネットレンタルはいつ頃予約すればよいですか?
日程が決まったら、できるだけ早めに候補を確認した方が安心です。
婚礼シーズンや成人式前後は、希望する色柄やサイズの予約が重なることもあります。
実際の振袖を見るときは複数の色を比べましょう
結納の形式や会場、両家の服装が整理できたら、実際の振袖を見比べてみてください。
最初から一色に絞る必要はありません。
白やピンクなどの淡い色。
赤、緑、紺、紫などの濃い色。
黒地の華やかな振袖。
複数の色を見ることで、自分が大切にしたい印象が分かりやすくなります。
商品を見るときは、色だけでなく、顔まわりの柄、帯との組み合わせ、対応サイズ、利用可能日、セット内容も確認してください。
まとめ|結納の振袖は色だけで決めず、両家と自分に合う一着を考えましょう
結納の振袖には、誰にでも共通する一色の正解はありません。
白やピンクなどの淡い色には、清楚で上品な印象があります。
赤、緑、紺、紫などの濃い色には、お祝いらしい華やかさや格調があります。
黒地の振袖も、柄や帯を含めて華やかにまとまっていれば、選択肢になると思います。
大切なのは、色だけを見ることではありません。
結納の形式。
会場と時間帯。
両家の服装。
本人の顔映り。
柄や帯との調和。
一つずつ確認することで、自分たちの結納に合う方向が見えやすくなります。
本人の気持ちと家族の思いを重ねながら振袖を選ぶ時間は、結納の日だけでなく、家族の写真や記憶にも残ります。
まだ一着に決められなくても問題ありません。
複数の色柄を見比べながら、ご自身の結納に合う振袖を考えてみてください。
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